TOP

カサンドラ伝説レビュー
第三回




ゲームもいよいよ終盤。
舞台はカサンドラ獄内へ。




お待ちかねのウイグル獄長とのバトルが開始。
出だしからいきなりクライマックス!


説明書によると、このウイグル獄長戦だけが通常のバトル方法と異なるらしい。
やはり事実上のラスボスである獄長との闘いは、そこらの雑魚戦とは一線を画したアバンギャルドなバトルが用意されているのだろう。


・・・・と思っていたのだが、その内容は、
「サイコロを振って3回中2回同じ目が出れば勝利」という
むしろ雑魚戦よりかなり地味なものであった。

雑魚戦でカード使うのに、獄長戦はサイコロだけなの・・・?







そんなサイコロ獄長をサクッと墓穴送りにし、階段を登ると
そこには拳王親衛隊が。



原作じゃ高台の上で威張り散らした後に中央棟まで移動して待ち伏せていた拳王親衛隊だが、このゲームではここで正面からケンシロウとガチで闘うつもりらしい。見上げた根性だ。でもどうせなら、ライガ・フウガにやったあの石の塊の罠で通路封鎖するギミックとかをゲームに盛り込んだほうが面白かったんじゃないかと思う。


拳王親衛隊に勝利すると、拳王親衛隊カードを引くことができる。
これにトキの獄舎へ続く門の開け方の情報が記されているらしい。
「秘孔 頭顳を突いて居場所を聞き出した」という演出なのだろう。





桃シロウが引いたカードにはこう↑記されていたので





指示通り、左から4番目にある第4の門へと移動。
門は全部で5つあり、それぞれ条件を満たせばどこからでも進むことが出来る。

うん、門、多すぎやね。
こんなウェルカム感出した監獄みたことないよね。





ちなみに拳王親衛隊カードは、8枚中3枚はハズレ。
そのハズレを引いてしまうと



門の開け方は知らない!

と、可愛くつっぱねられてしまう。
知らないんじゃ仕方ない。

ちなみに青シロウはこのハズレ3枚を全部引いた。
確率にして1/35か。なんかやけにツイてないな青。







原作と同じ、長い階段を上った先にあったのは、

 

大きな九つの穴が開いた謎のフロアであった。



ここに到達したプレイヤーは、次回から獄舎カードを一枚ずつ引いていく。



これが獄舎カード。
これを穴の開いた九つの穴に並べていく。

絵柄を見た時点で察しはつくだろうが、カードに描かれた道がちゃんと繋がるように並べていき、最終的に出口にまで連結できれば先に進めるという仕組みになっている。


昭和の人間としてはチクタクバンバンを連想せざるを得ない。


チクタクバンバン(野村トーイ製 1981年発売)







中々面白い試みだが、1ターンで1枚しか置けないというもどかしい仕様。
4ターン使ってなんとかゴール間近まで繋げても






最後にこうなると失敗となりやり直し。

最後の1枚からではなく、1枚目から再スタートとなる。
しかも一度誰かが繋げたらそのルートは以降も残るので、他のプレイヤーはもうチクタクバンバンせずに進めちゃうという、後続に甘すぎる救済措置が用意されているのだ。どんだけ差がついても余裕で逆転可能なゆとり仕様というわけだ。






さていよいよ最後のエリアへ。
トキの捕らわれている牢獄に突入。



牢獄は3つ。

各部屋の中にはトキらしき影がみえるが、本物がどれかは解らない。
そのため、各入り口前にいる拳王親衛隊をぶっとばして、中の奴のツラをおがみながら一人ひとり確認していくこととなる。


ちなみに各部屋には2人ずつ収監されている。
まさかの相部屋。






とりあえず一番近い牢に押し入り、一人目の影を確認
だがそこにいたのは、想像を越える衝撃の人物であった。





















えっ!?










えっ!?







ちょっと待って・・・・待って・・・

君は、あれよね?




この人・・・じゃないよね?




だって肩当つけてるからね!







肩当てつけたニセトキっつったらもう









オマエしかいないよね?


なにやってんだお前?






めっちゃ真面目にトキの真似してるやん・・・
ケンシロウびっくりさせたろ思て必死やん・・・
つかおまえ出てきちゃ駄目でしょ・・・
「おまえはもう死んでいる」はずでしょ・・・







その後、青と桃が二人がかりで探すような形で5枚目にモノホンをゲット。
これにてゲーム終了となりました。

でも正直、牢屋に入ったアミバが衝撃過ぎてもうどうでも良くなったよね。
「カサンドラ伝説ゲーム」なのに全部あいつがもってっちゃったよ。
やっぱアイツすげえわ。





【総評】

似たようなゲームも色々やったが、北斗の拳の世界を旅してる感はダントツで高かった。険しい山道やカサンドラ中央棟の長い階段などという忘れられがちな設定もしっかり盛り込まれている辺りがファンにはたまらない。

このゲームの最大の見所である「飛び出すカサンドラ」は、オブジェとしては最高峰だが、もう少し上手くスゴロクに組み込めれば尚良かった。折角カサンドラが聳え立ったんだから、見るだけでなく、なんとかゲームの中で絡んでいきたかった。このゲームで言うなら、第一ステージでなく第二ステージのほうを飛び出す形にしても面白かったのではないかと思う。立体の中央棟の一番高いところにある牢獄をゴールにしたら、登頂の快感も合わさってより達成感が増したのではないだろうか。

また、バトルが連続するのはいいとしても、そのくせ内容が淡白なところが残念だった。同じバトル内容でも、ちょっと工夫すればその辺は改善できた筈。例えばサイコロのみだった獄長戦でも、第一ステージでは泰山流双条鞭を破るためにサイコロの偶数目、第二ステージでは蒙古覇極道を受け止める為に3回以内に6の目を出す(6本指にひっかけて)、とかいう風に、ちょっと文字を添えるだけで大分「獄長と闘ってる感」が出せたのではないかと思う。アミバ戦やライガフウガ戦でも同様に、それぞれの戦いにオリジナリティを持たせて、キャラの個性を引き出して欲しかった。

しかしまあ、良くも悪くも「北斗の拳ファン向けのゲーム」であることは間違いない。ていうかファン以外はやっちゃ駄目なゲームね。最大の魅力である原作再現度なんて、ファン以外の人には一切関係ないしね。しかもゴールに待つのが小汚い白髪のオッサンってこれ、北斗の拳を知らない子供が成し遂げたところで達成感あるのか心配になるよね。










グッズレビューTOP