ルイに危機が迫っているというリンの言葉を信じ、 ケンシロウ、バット、リンの三人はルイの屋敷へと訪れる。 村人 「ケ、ケンシロウさま!たいへんです!ルイさまが、死兆一族と名のる何者かに!その者たちは突然やってきて、ルイさまを奪い…くっ!わたしがついていながら……はい、その者たちは、西のほうへと去っていきました。……!!…街のはるか西に不気味な城があるのですが、もしかすると…!」 西にあるという不気味な城へ 子供 「シェルガのおじさん…どこ行っっちゃったのぉー?」 子供 「シェルガのおじさんは、きっと大切な用があるんだよ。帰ってくるまで、みんなで仲よくまっていよう。ぼくたち、みんな親がいないんだ。シェルガのおじさんが、お父さんがわりなんだよ」 子供 「今日のごはんは、ぼくがつくったんだ!おじさんたちも、たべていってもいいぞ!ゆるす!」 道中、何かに怯える老人と遭遇する。 ![]() 老人 「わしゃ見たのじゃ。たった今この荒野で起きた恐ろしい戦いを・・・。三人の野盗は不運じゃった・・・。触れてはならない悪魔に出会った事を後悔したときには手遅れじゃった。その巨大な男は、霧の中から姿を現した途端、闘気充満し・・・」 ![]() ??? 「愚かな・・・触れるだけでも汚れるわ!」 野盗達、男の乗る馬に踏み潰されて死亡 老人 「一瞬の出来事のように見えた・・・。あの闘気・・・あの顔は・・・昔の記憶が蘇ってくる!あの男は・・・ラオウ! ラオウは生きておる!」 ケンシロウ 「なに!ラオウが!北斗の長兄・・・世紀末覇者ラオウ!最強の男とならんがために、全てのものを捨て非情の掟を自ら課した激情の男・・・!」 ![]() リン 「でも、ラオウは死んだはず・・・」 老人 「わしゃ見たんじゃ! 確かにラオウじゃ!ラオウは生きておる!」 ![]() バット 「ラオウの幻影か・・・じいさん!そいつはどっちへいった?」 老人 「谷沿いの道を・・・」 バット 「やはり死兆一族の城を目指しているのか・・・ケン!急ごう!」 |
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ケンシロウ達、死兆一族の城に到着 バット 「薄気味悪い城だな・・・」 先へ進もうとするケン達の前に、巨漢の男が立ち塞がる。 ![]() シェルガ 「フフ!ケンシロウだな!俺の名は鬼のシェルガ!ここは通さぬ!」 ケンシロウ 「俺の往く手を邪魔する奴は全て倒す」 シェルガ 「ハッハッハッハ! いいだろう!かかってこい!」
ケンシロウ、シェルガに勝利 ![]() シェルガ 「み・・・見事だ!」 子供達 「おじさん!シェルガのおじさん!」 シェルガ 「いや・・・お見苦しいところをお見せした。ケンシロウさん無礼をお詫びしたい。私は新五車星の一人、山のシェルガ。失礼ながら、貴方様の強さを確かめさせていただきました。我等の想像以上の強さです。貴方なら、北斗無明拳ゼンオウを倒せるでしょう。さ、どうぞ城の中へ」 |
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ケンシロウ達、城の中へ。そこにはルイの姿が。 ![]() リン 「お姉さま!」 ルイ 「リン!」 ルイ 「心配させてごめんなさい。でもわたしはこのとおり、元気です。新五車星の人たちに守られて、この地に来ました。本当に心配かけてごめんなさい」 ![]() シェルガ 「暗黒の北斗はお二人の天帝、ルイ様とリン様を狙っております。そこでわれら新五車星、正体を隠し、死兆一族と偽ってルイ様をここまでお連れしたのです。すべては我が軍師、リハク様のお計らいです。」 ![]() ガッシュ 「俺は炎のガッシュ。噂によると、暗黒の北斗もこの城を目指し、進軍中とか。幸いこの城は天然の要害に恵まれた難攻不落の地。我等命にかけてもこの城を死守するぞ!」 ![]() ダン 「私は風のダン。新五車星は天帝の光のため、天を舞い、地を駆けます。そしてそのためなら五車の星は砕け散っても本望!リハクさまが奥の部屋でお待ちしております。ケンシロウさま、奥の部屋へ」 ![]() ウジョー 「俺は雲のウジョー!俺は何かに縛られて生きるのが嫌いだ。空に浮かぶ雲のように、自由気ままにやりたいぜ。あーあ、退屈だなぁ〜」 ![]() リハク 「おお、ケンシロウ様!お久しぶりで御座います!海のリハクでございます!ラオウの幻影が現れたとか・・・。おそらくそれは、無明拳伝承者ゼンオウの姿でしょう。ゼンオウは、その全身に、闘神ラオウの魂を受け継いだのです。拳の真の達人の魂は、繰り返し生まれ変わり、その度に強さを増していく。ゼンオウは、あなたさまにとってかつてない強敵となりましょう。天帝の光は人々に希望を与えます。南斗牙猩拳のギャランが己を見つけ、魔道琉拳ホシムがその魔闘気から救われたようにその気高さに触れたものは、心洗われ、自分の本来の姿を取りもどします。だが、北斗無明拳は暗黒の拳。その天帝の光が邪魔なのです。それゆえゼンオウは天帝の抹殺を謀ったのです」 シェルガ 「リハクさま!伝令がまいりました!ゼンオウが近くの竜虎の谷に現れたとか。天帝を求め、この城を目指して進軍しております!」 リハク 「うむ」 ![]() ケンシロウ 「よし、俺が行こう!ゼンオウ、貴様の進軍は、北斗神拳の名に賭けて喰い止める!」 |
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リンを死兆一族のもとに残し、竜虎の谷へと向かうケンシロウとバット。 そこに、ウジョーがバイクにのって現れる。 ![]() ウジョー 「よう!ケンシロウさん!俺と勝負してくんねえか!」
![]() ウジョー 「おぉぉいてぇ! 流石だな・・・伝説の北斗神拳か・・・あんたならゼンオウを倒せるかも・・・乗りな!竜虎の谷へ急ぐんだろ。俺も行くぜ!狭い城の中で閉じこもってるのは性に合わねえんだ!」 |
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ケンシロウ達、竜虎の谷へ ![]() ゼンオウ 「フッフッフッフッフ・・・ 我が馬を怯えさせる闘気・・・名乗らずとも判る。貴様が北斗神拳伝承者ケンシロウだな!」 ケンシロウ 「ゼンオウ!お前の野望もここまでだ…」 ![]() ゼンオウ 「ケンシロウ・・・千数百年の暗黒に耐えてきた我が拳の怨念、たっぷりと教えてやろう!北斗神拳最強伝説はここに崩壊する!」 ![]() ケンシロウ 「あ〜〜〜〜たたたたたたたたた!! あたぁっ!! 北斗百裂拳!」 百裂拳、ゼンオウに全く通じず。 ![]() ゼンオウ 「ぬぁ―――はははははは!貴様はまだ七つの秘拳を得ていないようだな!ならば!このゼンオウの前では赤子同然!北斗神拳ここに滅ぶ!」 ![]() ゼンオウ 「無明暗斬波!!」 ![]() ケンシロウ 「うあぁっ!!!」 ケンシロウ、ゼンオウの奥義を喰らい敗北。 バット 「ケン!」 ![]() ウジョー 「むうっ・・・まてぇい!!この勝負、俺が預かった!」 ゼンオウ 「貴様・・・」 ウジョー 「新五車星の一人、雲のウジョー!」 ゼンオウ 「フッフッフッフッフ・・・屑星どもの五車星か!北斗神拳伝承者でもこの有様・・・貴様など相手にならぬ!」 ウジョー 「どうかな? 俺の拳法は我流・・・。肉親もいない、失うものは何も無い!この命だって惜しくは無いさ!」 ゼンオウ 「ふっ」 ![]() ウジョー 「バット!早くケンシロウを!」 バット 「あ、ああ」 ゼンオウ 「おのれぇい」 ウジョー 「バット!早く行くんだ!俺の事は気にするな!」 ![]() バット 「すまん!ウジョー!」 ゼンオウ 「くうっ 身の程知らずの屑星め!!ならば・・・思い知らせてやろう!喰らえぇい!」 ゼンオウと渡り合うウジョー。 撃壁背水掌を繰り出したり、無明惨壊拳をガードするなど善戦。 更には無明虚血針を呼雲流栄拳で迎え撃ち、ダメージを負わせるなど奮闘。 しかし徐々にその力に圧倒され、押され始める。 ![]() ウジョー (恐るべし・・・北斗無明拳!並の拳ではとても太刀打ちできぬ!やはり北斗神拳でなければ・・・ケンシロウこそ、我等最後の希望!) ゼンオウ 「どけい、ウジョー!」 ウジョー 「どかぬ!」 ウジョー (ケンシロウも遠くに行ったようだ・・・俺の役目は果たせた・・・。雲のウジョー、未来の希望のための捨石となろう!) ウジョー 「ずああああ!!」 ゼンオウ 「ウジョー、相討ちを狙うか・・・屑星風情が笑止!!」 交錯する二人。 次の瞬間、全身から血を噴出し、ウジョー斃れる。 ゼンオウ 「所詮は下衆の拳よのう・・・」 ![]() |
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手当てを施され、とある隠れ家で身を横たえるケンシロウ。 北斗七星の六番目の星が光り、ウジョーが死んだ事を悟る。 ![]() ケンシロウ (ウジョー・・・ウジョーが死んだ・・・) バット 「ケン!」 ![]() ケンシロウ 「新五車星 雲のウジョー・・・安らかに眠れウジョー お前の秘拳は俺の中に生きる・・・」 バット 「リンたちが心配だ・・・城へ戻ろう!」 |
・ケンシロウ、ウジョーの死を悟る
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城ではシェルガがゼンオウと戦闘中。 しかしいくら技を繰り出してもゼンオウには通じず、無明惨壊拳を喰らい敗北。 ダンとガッシュも敗北し、リンとルイは連れ拐われてしまう。 ![]() 暫くしてケンシロウとバットが城に帰還。 ケンシロウ 「リハク・・・!」 ![]() リハク 「ケ、ケンシロウさま・・・ルイ様とリン様をゼンオウに奪われました・・・。海のリハク、一生の不覚!ゼンオウがあれほどの強大な力を蓄えていようとは、このリハクにも読めなかった・・・。ケンシロウ様、ゼンオウを倒せるのは北斗神拳伝承者のみ。ルイ様とリン様を取りもどしてくだされ・・・がはっ」 ![]() バット 「俺は・・・リンに何もしてやれなかった・・・」 ケンシロウ 「ゼンオウ!許さぬ・・・! お前だけは許さぬ!!」 |
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北斗無明拳伝承者ゼンオウの力の前に一度は屈したケンシロウだったが、北斗最強の拳、北斗神拳の伝承者として決着を付けるべく、ケンシロウは一人、ゼンオウとの対決を決意する。 ゼンオウのもとへ向かうケンシロウの前に、仮面の男が立ち塞がる。 ![]() 仮面の将 「ケンシロウ!よく来たな!この扉の向こうが光無き拳、北斗無明拳の国だ!だが、お前はここを通る事はできん!」 ケンシロウ 「通してもらおう。乱世に終止符を打つために」
仮面の将の仮面が割れる。 その下から現れたのは、トキ。 ![]() ケンシロウ 「ト・・・トキ!」 トキ 「ケンシロウ・・・北斗の柔拳、受けてみよ!」 ケンシロウ 「トキィ〜〜!!」 トキ 「はぁっ!」 ケンシロウ 「あたぁーっ!」 拳を繰り出す両者。 トキの身体にケンシロウの拳がヒットする。 ![]() トキ 「うぐぁっ! ケンシロウ、見事だ・・・」 ![]() ケンシロウ 「トキ・・・何故・・・ 拳を捨てたはずなのに・・・」 ![]() トキ 「ケンシロウ、これで良いのだ・・・。光無き拳、北斗無明拳伝承者ゼンオウは、あらゆる拳法を修め、北斗千数百年の怨念を抱く最大最強の大敵!七つの秘拳で七つの死角を攻めぬ限り、奴を倒す事はできん!お前は既に六つの秘拳を修めた。そしてその最後の秘拳は、北斗の柔拳でなければならなかった。北斗柔拳の秘拳を得る道はただ一つ。命をかけた闘いの中でしか伝授する事は出来ん!見事だ、ケンシロウ! お前はこれで七つの秘拳を得ることが出来た。おまえなら、必ずゼンオウを倒すことが出来る!行けケンシロウ!光無き国に伝承者の光を・・・」 ケンシロウ 「トキ・・・ 北斗悲運の天才拳士。自らの身体を犠牲にして俺に道を作ったのか・・・トキィ〜〜〜〜〜!!!」 ![]() トキ、絶命。 ケンシロウ、無明拳の国へと続く門を開く。 ![]() ケンシロウ 「ゼンオウ!対決の時はきた!」 第五章 完 |
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