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千手魔破
せんじゅまは



使用: 名も無き修羅 (対 ケンシロウ)
登場: 北斗の拳(164話)/アニメ版(124話)/
北斗の拳3/パンチマニア


 名も無き修羅が使用した技。数十もの手裏剣を放ち、宙空で消失させ、数秒後にそれを地面から出現させるという技。急に足元から現れる刃に、相手は確実に意表を突かれる事になる。ケンシロウとの戦いで先制攻撃として使用したが、全ての手裏剣をキャッチされ、投げ返された。




 この技のポイントは2つ。消える点。砂の中から相手に向かって飛び出す点だ。
 ひとつめは問題は無い。大リーグボール2号と同じ原理だと考えれば良い。砂をまとった手裏剣が、砂埃の中で保護色となり、消えたように映るのだ。おそらく手裏剣に、砂がつきやすい塗料が塗られているのだろう。
 問題なのは、一旦もぐった手裏剣が軌道を変えて地面の中から浮き上がってくるという点。手裏剣が一旦地面へともぐり、再び浮き上がってきているわけだ。√(ルート)を逆にしたような起動である。もはやこれは物理の常識を超えている。一体この現象はどのようにして成されているのだろうか。
 アニメではよくわからないのだが、原作を見る限り、手裏剣は一度ケンの横を通り過ぎているように見える。ならこの手裏剣は相手の手前で落ちるのではなく、相手を通り過ぎてから地面にもぐり、再びUターンして相手のところへと戻っているのだろうか。否、違う。通り過ぎた手裏剣は戻ってきてなどいない。単なる目くらましなのだ。地面から現れた手裏剣は、消えた手裏剣とは別の手裏剣なのである。
 おそらくカラクリはこうだ。これらの手裏剣はあらかじめ2つで1セットとなっており、それぞれが細い糸でつながれているのだ。そのうちの片方をあらかじめ地面の中に埋めておく。そしてもう片方を勢い良く放つ。放たれた手裏剣は砂を纏って見えなくなり、いつの間にか相手の横を通り過ぎる。埋められたほうの手裏剣も紐に引っ張られて地面を掘り進み、宙の手裏剣が相手を通り過ぎた瞬間に地面の中から引っ張り出され、下方から相手に襲い掛かる、というわけだ。本来なら手裏剣を見えなくするだけで十分であるのに、さらに予想もつかないヒネリを加えることで、完全に相手の意表を突く。それがこの千手魔破という奥義であり、だからこそケンほどの相手に「む!!」と言わしめる事ができたのである。