北斗酔舞撃
ほくとすいぶげき
流派: |
北斗神拳 |
使用: |
トキ |
登場: |
審判の双蒼星/覇王乱舞/
激打MAX/リバイブ |
『北斗の拳 -審判の双蒼星 拳豪列伝-』に登場した
トキの奥義。相手の下段攻撃をガードし、その力を利用した反撃で相手を吹っ飛ばす。
初登場したAC北斗(審判の双蒼星)以降も、ゲーム作品に度々登場するトキの技。ただ作品によって技の性質が微妙に違うため、今のところハッキリと決まった形は無い。個人的には元祖であるこのAC北斗版のが一番見栄えがするので、出来るだけ尊重する形で継続していってもらいたい。
この技の一番の魅力(?)は、北斗神拳らしからぬ所だ。
「体当たり」なんて、北斗神拳奥義の中で他に無いでしょ。そこが良いんですよね。超人的な奥義の中にこういた「普通」の技術が混じってる所に、北斗神拳が持つ無限の可能性を感じられると言うか、色々な技術を吸収してきた歴史を感じられるというか。もちろん、普通に見えて全然普通じゃないんでしょうけどね。多分ザコが喰らえば体内の臓器が合挽ミンチになるくらいの威力はあるんじゃないかな。
背中での体当たりは、中国拳法で「靠撃」と呼ばれる。八極拳の鉄山靠などが有名ですよね。ただ鉄山靠は相手を真横or下方に吹っ飛ばす技なのに対し、トキの酔舞撃は低い体勢から靠撃を繰り出し、相手を斜め上方に吹っ飛ばしているので、性質としては大きく異なる。鉄山靠が体捌きや重力を重視するのに対し、酔舞撃の場合は
地を蹴る力の反動が重要と思われる。空中戦を得意とするトキならば、当然優れた瞬発力を持っているであろうから、この技を得意とするのも至極当然というわけだ。
●背中で攻撃する意味とは
北斗神拳は秘孔によって一撃必殺を可能とする拳法。拳で攻撃した方が早いのに、
わざわざ体当たりをする奥義など必要なのだろうか。
ポイントとなるのは、この技が
「当て身技」である事だ。当て身技というのは、相手の攻撃を防御した後、反撃に転じる技の事。これはゲーム業界での造語らしいが、便宜上こう呼んでいく。
北斗神拳の使い手と言えど、戦いの中で敵に背後をとられる場面もあるだろう。多対一の場合は特に危惧すべき状況だ。その背後の敵が攻撃を仕掛けてきたなら、どう対処すべきか。躱して反撃したり、反転して防御するという方法もあるだろう。だがそれが多対一であった場合、今度は別の敵に隙を晒すことになる。最良の選択とは言い難い。
そのような時に役立つのが、この北斗酔舞撃なのである。
まず正面の敵に対しては構えを解かず、そのまま背後からの攻撃を背中で受ける。隙だらけの背に敵は嬉々として攻撃を叩き込むだろう。だが元来背中というのは、体の正面よりも遥かに頑強であり、ダメージを受けにくい。更にそれは「剛体化」を行うことで飛躍的に効果が増す。相手の攻撃に合わせて筋肉を締め、呼吸を一致させ、身体の軸しっかりと作る。さすればどんな攻撃を受けても崩れることは無く、その身は巨大な岩と化すと言う。
硬くて動かない岩や壁のようなものに物体がぶつかったとき、その運動エネルギーは全て反発する。つまり固めた背中に攻撃しても、そのエネルギーは全て自分へと戻り、逆に体は後方へと押されるわけだ。その好機を見逃すことなく、すかさず防御から攻撃へと転換し、靠撃を叩き込む。さすれば
反発によって返った力と、靠撃の力が合わさり、それは破壊的な一撃と化す。これが北斗酔舞撃の極意であると思われる。
特筆すべきは、これが「靠撃」である所だ。
今しがた攻撃を受けた背中を、次の瞬間に武器として利用する。背中でガードした後、正面の敵から視線を外すことなく、かつ最速で反撃するためには、この奥義こそがまさに最良の選択となる。これこそが北斗酔舞撃の価値。北斗神拳に「背中」の技がある意味なのである。
●他作品での酔舞撃
『北斗の拳 LEGENDS ReVIVE』では、黒髪トキ(被曝する前のトキ)の技として登場している。少林羅漢拳のような両腕を回す攻撃で相手をひるませた後、低い位置からの靠撃を放つ。作中の解説文では
「闘気の流れを制し、舞うような連撃と強烈な突進で相手を吹き飛ばす技」とされている。
『激打MAX』では
「柔の拳の一つであり、相手の攻撃を避け、次の攻撃を受け流し、最後に攻撃する奥義」と解説されている。
『百万の覇王乱舞』では
「体を草木が風になびくように揺らしながら、闘気の流れを整え、その流れのままに相手に自らの拳を撃ち込む技」とされている。
当身技なのAC北斗だけじゃん!!
いいもん…おれは当身技派で生きていくから…