吉本新喜劇×北斗の拳
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2025年4月9日 |
3月21日(金)、大阪・なんばグランド花月にて開催された

吉本新喜劇×北斗の拳 コラボ新喜劇
〜お前はもう笑っている!〜
を観劇してきました。
あの吉本新喜劇が「北斗の拳」を題材とした舞台を行うという一夜限りの夢のイベント。関西の北斗ファンとして、これを見逃すわけにはいかない。なにより関西での北斗イベント自体が激レアですしね。
このイベントを企画したのは、千原兄弟の兄・
千原せいじ氏だという。
2、3年ほど前、
原哲夫先生と対談した際に、せいじ氏の方から新喜劇と北斗の拳のコラボはどうかと打診。その後、吉本本社に話を持っていくも、数年間なしのつぶてだったが、
間寛平師匠を通したらすぐに会社が動き、企画が決定したのだそうな。
兄さんナイスです!!
原先生ってこういうの凄くフッ軽だから、今後対談とかでお会いする人はとりあえず何かしら提案してみてほしい。北斗な催しが増えれば幸せになります。私が。
というわけでレポです。
3月21日
18時、大阪なんばへ到着。
地下鉄から出たところで
小銭入れを拾う。
交番へ届けると、警察官が確認のために中身を全部出し始めたが、その中から
茶色くなった葉っぱが飛び出して戦慄。
もしこれがヤバい葉っぱなら事情聴取とかで時間とられて開演に間に合わないのでは……?と不安になるが、ただのゴミだったため安堵する。

開演前に、ラーメン屋
「王道家直系 我道家 OSAKA本店」で晩飯。
今更ながら家系ラーメンにハマり中なので行ったのだが、個人的にはかなりスープの味が濃くて辛かった。「ごはんと一緒に食う」という家系の特性にのっとってはいるものの、単品で食うにはしんどいなという印象。

19時、会場である
『なんばグランド花月』に到着。
中に入るのは、2008年のR-1の準決勝を観覧して以来となる。
あれ見てなだぎ武の2連覇は固いと思ったよね。
中には北斗の拳の
主要キャラを紹介するパネルがずらり。
北斗ご存じないお客様にも楽しんでもらおうという粋な配慮だ。
1日限りの公演にしては中々力を入れてくれている。嬉しいね。

先生方からのお花も確認。
もしかしたら会場にお越しになられていて舞台に登場するなんていうサプライズがあるかも!?と少し期待していたのだが、残念ながら無かった。
入場口の前には、昨年発売された
「北斗の拳 百裂エナジー」の特設販売所が設けられていた。
私のラオウ様スカジャンを目にした店員が、確信めいた顔で私に勧めてきたが
「もうダンボールで買ったので…」とお断りさせて頂いた。
19時15分、劇場内のシートに着席。
後ろから五列目くらいの端の方という、決して良いとは言えない座番だったのは残念だ。ミュージカルの時といい、席運持ってないんだよな。
会場内にはアニメ北斗の曲が流れていたが、隣の客が「DRY YOUR TEARS」を聞いて「この曲知らない…」と呟いてた。そうですか…
19時30分、開演。
前説や前座などは無く、いきなり本編がスタートした。
流れてきたのは、まさかの
千葉繁御大のナレーション。
お笑いの聖地が、闘いの荒野へと変わる。
出演者の名前を一人一人読み上げて行く千葉御大。
収録時間が短くてパワーが有り余っていたのか、出演者の「レイチェル」の名を呼ぶ際には超巻き舌で
「ルルルルルルルルルルルレイチェル!!!」と絶好調。ちなみにレイチェルさんは割と端役だ。
ナレーションが終わると、いよいよ開幕。
舞台は、老舗のうどん屋
『花月うどん』。
そうそう。吉本新喜劇と言えばこれですよ。例えお題目が北斗の拳であっても、そこは一貫して変わらない。老舗のうどん屋の物語に、どうやって北斗の拳を絡ませていくのか。その手腕を見届けたい。
花月うどんは、向いにライバルのチェーン店
「りんりんうどん」が出来たことで最近は閑古鳥。
そのライバル店を運営する
『りんりんフーズ』の社長(EXIT りんたろー)は、花月うどんの買収を画策していた。
更には
店の先代(間寛平)が連帯保証人として
一千万円の借金を背負わされたり、女性アルバイトの娘がストーカーにつきまとわれたり、しれっと食い逃げされたりと、店には災いが次々と降りかかる。
お馴染みの展開すぎて安心感が凄い……
ちなみにここまでの北斗要素としては、
店の中に北斗の拳の漫画が置いてあるという一点のみ。寛平のバイブルなのだという。
また、その寛平の孫娘である
藍ちゃん(酒井藍)は北斗の拳が大好きであり、初恋の人はケンシロウなのだそうな。
酒井藍さんは、その個性的な見た目も相まって全国的にもかなり知名度は高いほうだと思われる。
今回の彼女の役どころは、
北斗の拳マニア。北斗キャラが出てくる度に、紹介を兼ねた見事な解説をしてくれていました。
しかし藍さん、これまで北斗の拳は全く読んだことが無かったらしい。それなのに
この一回限りの舞台のために漫画を読破し、キャラクターの紹介文も完璧に覚えきっていたのは、本当に凄い。流石は女性ながら最年少で新喜劇座長の任された方。ポテンシャル半端ないぜ。
そんな彼女よりも忙しかったのが、
花月うどんの従業員を務められた
千葉公平さんだ。体感的にこの日のツッコミの8割はこの人が担っていた。倍のお賃金もらってもいいと思う。
借金を返す目処も立たず、客足は遠のく一方。無念だがもう買収に応じるしかないと、店は閉店を決断してしまう。
その時、一人の
僧侶(千原せいじ)が来店。
お金が無いにもかかわらず、うどんをサービスしてくれた店に対し、
「この店には邪気がうずまいている」
「この後も災いは起こり続ける」
「だが雷と共に救世主があらわれる」
とのお告げを残し、去っていった。
その直後、雷鳴が鳴り響き、店は停電。
明かりが戻ると、そこには……

ちょっと身体を斜に構え
五木ひろしスマイルを携えた
絶妙にイラっとさせる
ケンシロウの姿があった。
演じるのは、
水玉れっぷう隊のアキさん。
藍さんと同じく吉本新喜劇の座長であり、元スタントマンや格闘技経験者という経歴を活かし、
新喜劇にアクション要素を取り入れている方だ。今回ケンシロウを演じるのは、この人を置いて他にいないだろう。
ちなみに相方である元陸上自衛隊員のケンさんも、最近新喜劇メンバーに加わったらしい。もしケンさんもこの舞台にいたら、ケンの相方がケンでややこしい事になってたな、と思った。
「細っ」「顔シワシワ」「ウィスパーボイスで聞こえへん」などとイジられながらも、どうやら彼は
本物のケンシロウであることが判明。
彼は漫画の世界からの訪問者であり、その証拠に、店にあった北斗の拳の漫画からはケンシロウの姿が忽然と消え去っていた。
初恋相手のキャラを前にして大興奮の藍ちゃんは、早速ケンシロウに告白。
「俺が愛するのはユリアのみ」との返答に対し
「私がユリアです」と鉄メンタルで粘る藍ちゃんであったが、
「お前はハートだろ」とツッこまれてしまう。
事前に出演者ラインナップを見て、藍ちゃんが演じるならユリアかハートじゃないかと予想してたのだが、まさかの両方正解であった。
先ほど僧が予言した「救世主」とは、ケンシロウのことであった。彼は漫画の中からいつも店のことを見ており、
窮地に陥った店を救うために馳せ参じたのだという。
だがこの世界に現れたのはケンシロウだけではなかった。
先程のストーカーが仲間として連れて来たのは、北斗の世界からやってきた
名も無きザコ。原作ではひとコマで死んだ奴らしい。それをすぐ判別できる藍ちゃん、ガチ勢すぎんか?
鎖鉄球を振り回すザコに向かい、ケンシロウはゆっくりと歩を進める。
だがここでいう「ゆっくり」とは、原作やアニメのそれとは全く違う、まるで
月面を歩く宇宙飛行士のような、本当の意味での「ムーンウォーク」とも言うべき動きであった。
なぜそんな動きなのかの説明は無かった。
これが相当ウケたためか、
この後のケンシロウの移動はほぼ全てこれになっていた。反応を見てそういう構成に変えたのだとしたら流石のアドリブ力ですね。
ザコの間合いへと入り、
パンチを出しているのかいないのかよくわからない省エネ気味な百裂拳を放つケンシロウ。速すぎて見えないという表現なのだろうか。
「お前はもう……笑われる」
笑われる!?受動態!?
カウントダウンがゼロになった瞬間、
ザコの服がはじけ飛んでパンツ一丁に。なるほど、確かに客に「笑われて」いる。「お前はもう裸になる」ではなく、そうなる事によって起こる二次的な現象を宣告するというのは中々斬新だ。
ただ個人的には、どうせ相手を裸にするなら、
レイの水鳥拳でやって欲しかったかもしれない。あれをミュージカルでやる場合、原作通り女性にやったらコンプラ的にアウトだし、男にやればお笑いになってしまう。だから新喜劇でしか出来ないオマージュだと思うんですよね。
裸にされたザコはそそくさと退散。
ちなみにこの劇では、
最後まで一人も死者は出なかった。おそらく喜劇に「死」という要素はNGなのだろう。やさしい世界。
続いて現れたのは、
バット(筒井亜由貴)。
ハーモニカを吹くというTVアニメ版さながらの演出にワイもニッコリだ。
ちなみにバットによると、こっちの世界に来ているキャラはかなりいるとの事。
それを聞いた藍ちゃんは、
ユダ、ウイグル、ヒューイといったキャラ達は来ているのかと言う質問に加えて……
捨丸についても興味津々で尋ねるのだった。
誰だよこの台本書いたの。
ラインが絶妙すぎるだろ。
知恵者であるバットは、打倒りんりんうどんを掲げるケンシロウに協力することに。
彼が提案した秘策。それは
ケンシロウの力でこの店のうどんを美味しくすることであった。
一見トンチキな事を言っているように思えるが、「力こそが正義」は世紀末だからこそ通用する理。この文明社会において暴力では物事は解決しない。ならば飲食店同士の闘いに勝利するためには、
まっとうに味で勝負するより他に無いということだろう。
およそ料理とは無縁のケンシロウに授けられた、うどんを美味しくする方法。
それは、
こねたうどん粉に北斗百裂拳を叩き込むことであった。
百裂拳での調理と言えば、北斗が如くでも
ハンバーグ作りでやってましたね。しかもこねる重要性においてはハンバーグよりうどんのほうが上だから、より百裂拳が活きると言ってもいい。
これはいいコシがでそうだ。
北斗神拳創始のために殺された西斗月拳の高弟達も浮かばれるというものである。
うどん粉の塊を高速で突き、最後に
うどんの秘孔を突いてフィニッシュ。
うどんの秘孔が何なのかはよくわからない。
早速それで麺を打ってみたところ、バットの読み通り、
とんでもなくコシのある絶品のうどんが完成したのだった。
ちなみにこのくだりの中で、
ケンシロウが店の椅子につまづいてガシャッとなるハプニングが発生。
なんだかんだ、こういう天然が一番面白いんですよね。この日一番劇場が湧いたのは多分ここだと思う。
そんな中、借金を取り立てに
花月ファイナンスが再び来訪。
彼等が用心棒として連れてきたのは
ジャギであった。
このジャギを演じられた
キャプテン★ザコさんと、先程のザコを演じられた
しまぞうZさんは、
「キャベツ確認中」というコンビで活動されておられるお二人。普段からよく北斗の拳のコントを持ちネタにしていることから、今回ゲストとして招かれたのだろう。
ザコ氏が被るジャギメットは、かつて借金してまで購入した自前のグッズであるらしい。それは素晴らしいのだが、氏は芸名のイメージ通りの
モヒカン頭をしており、
今回はそれを活かせる最高のシチュエーションであるにもかかわらず、あえてメットで顔を隠すという選択をしたという事になる。
名前も「ザコ」なんだから、ザコ役を自分がやり、メットは相方のしまぞう氏に貸して、役を交換するのがベストだったと思うのだが、それを振り切ってでもジャギを演じたかったということだろう。気持ちは凄くわかる。
そこまでして得た役どころで、渾身の
「俺の名を言ってみろ!」を決め、ケンシロウに勝負を挑むジャギ。
しかしここでサプライズ。
ケンシロウ、ジャギにまさかの敗北!
原因としては、まず
「ジャギの身体がこの世界に合っている」ということ。そして
「先程うどんの秘孔を突き過ぎて、ケンの体力が消耗していた」ということらしい。秘孔を突くには気が必要という設定をちゃんと理解しているんだな……
だがこのケンシロウの危機に、あの強敵が駆けつける!
何故か厨房から現れたその男の名は、
南斗水鳥拳のレイ(EXIT 兼近)!!

こ、これは……
すごくダサいぞ……?
ケンシロウも笑い堪えきれなくなってるやん
淡すぎる水色とか、
ボサボサの羽毛とか、
プラスチック丸出しの膝当てとか、全身から醸し出されるチープさが奇跡的な面白さを演出している。
あとなんで
長袖やねん!

こうやって舞台裏での別写真とか見ると、やっぱこの人イケメンだなと思うんですけどね。それがどうして

こうなった
しかしいくらダサくて長袖でも、そこは南斗水鳥拳の伝承者。
奥義 飛燕流舞にて
ジャギを圧倒するレイ。
尚、今回の劇で
まともな拳法対決は唯一これのみであったことをお伝えしたい。
用心棒あるジャギを倒された花月ファイナンスは、遂に
社長自らが登場。
その正体は、まさかの
シンであった。
こちらの世界にきたシンは、サザンクロスを建国した手腕で、闇金会社の社長にまで登りつめたのだという。うむ、意味がわからん。
この文明社会においても「力こそ正義」の信念を曲げることは無い。
早速奥義を繰り出して、実力行使に出るシン。

二人に抱えられて運んでもらうという
補助つき南斗獄屠拳を披露するシンであったが、特に何が起こるわけでもなく、3メートルほど移動してスッと着地して終了した。
いやもうちょっと頑張れよ!
三人がかりの大技なのに中途半端だったのは少し残念。舞台上を縦横無尽に飛び回るくらいやっても良かったかなと思う。
そんなシンに対して寛平は、
パッチの中に着流しをパンパンに詰め込むというお馴染みのボケで対抗。
そのモコモコの股間をシンに突かせる寛平であったが、
普通に痛くて悶絶。
続いてシンに挑みかかったレイは、
コケて股間を強打し悶絶。
股間を抑えながら「痛いよ〜痛いよ〜」と悶え苦しむ寛平とレイ。
俺は何を見せられているんだ……
そんな地獄絵図の中、またもや厨房から救援が現れた。
その男は、
北斗の次兄・トキ。

「トキがシンに負けるわけねえ!」と、原作の強さtier表をしっかり把握しているバットは、勝利を確信。
おもむろに地面に座り、
北斗有情破顔拳の構えを取るトキであったが、どうもこの日は体調最悪なのか、
メチャメチャ咳き込んで全然技を放つことができない。
結局何もできないまま、トキは
病院へと連れていかれてしまうのだった。
なんだこれ
このくだりに関しては、有情拳のことを知らない人にとっては「なんで座ったの?」ってなるから、もう少し説明あってもよかったかなと思った。
ただトキが店を出ていく時に、
店の扉をあの時のシェルターのように閉めていたのはメチャクチャ面白かった。北斗オマージュの中では一番笑ったかも。
そうこうしている内に、
ケンシロウが復活。
いよいよケンシロウvsシンという宿命の対決が始まる……かと思いきや、ここで
りんりんフーズ社長が、最強の助っ人を連れてきた。
その男の名は
世紀末覇者・ラオウ!
それを演じるのは……

オクレ兄さんでした
な、なんで……?
まあこんなものは
出オチ以外の何物でもないのだが、一応こうなった理由を考察すると、おそらくジャギが言っていた
「自分はこの世界に合っている」という言葉がヒントになっていると思われる。
ジャギは自前のメットのおかげもあり、北斗キャラの中では
見た目のクオリティが一番高かった。これは
「世界に合っている」からこそ与えられた恩恵なのではないだろうか。
つまり、ラオウの見た目が原作と比べてはるかにチビでガリガリでツノもこめかみから直に生えているという有様に成り果ててしまったのは、
彼がこの世界に全く合っていなかったことが原因なのではないかと考えられる。
例え吉本新喜劇であっても北斗の拳であるならば真剣に考察する。それが俺の宿命。
1ミリも役を演じる気がないオクレラオウは、ケンシロウからの勝負の申し出に対しても「ええよ〜」と気さくに返答。普段のオクレすぎる。
最終決戦の内容は、
うどんの味勝負。
審査を務めるのは、先程店に訪れた僧……
その正体は、ケンシロウ達の師父である
リュウケンであった。
そういえば、せいじさんて去年出家したから、
ガチの僧侶なんだよな、
うどん粉の塊の前に立ち、精神を集中させるケンシロウ。
気合と共に全身に力を込めた瞬間、
着ていたジャケットが千切れ飛ぶ!
しかし先ほどのザコの時といい、
瞬時に服が脱げる技術がハンパないですね。これはお笑いにも通ずる演出だから、既にノウハウが出来上がっているということだろう。流石だ。
裂迫の気合を込め、うどん生地に百裂拳を叩き込むケンシロウ。
それに対し、厳かにマントを脱いで戦闘態勢に入ったラオウは、
ペチッペチッと2、3回ほど生地を叩いて終了。
結果は、もはや茹でるまでも無いというリュウケンの裁定により、
花月うどんの圧勝に終わったのであった。
ケンシロウ要らんくない?
その後、ケンシロウに
自白の秘孔を突かれたりんたろー社長は、花月ファイナンスと共謀していたことを告白。店に借金を背負わせることで、買収話に応じさせようとしていたのだった。
全ての企みをも明らかにされ、りんりんフーズは逃亡。
オクレラオウも
「あほ〜〜!」と言い残して逃亡。
かくして花月うどんの平和は、ケンシロウによって守られたのであった。
その後、病院に行ったトキが帰還。
トキを診た医者は北斗ファンだったらしいが、医療を極めたと言っていいトキが自分の病院に運ばれてきた事に対し、医者は何を思ったのだろうか。
かくして「花月うどんを救う」というケンシロウの目的は果たされた。
役目をケンシロウ達は、漫画の世界へと帰ることに。
しかし今後も店が安泰であるためには、美味しいうどんを作れるようにならねばならない。そのため、ケンシロウが
うどんの秘孔のコツを伝授することに。

秘孔を突くと
「ピリ――――」というTVアニメ版でお馴染みの秘孔SEが鳴るので、この音を出してみろ指令を出すケンシロウ。
だが寛平が突くも、鳴らない。
続いてトキが突くも、鳴らない。
レイがやっても、やはり鳴らない。
しかしケンシロウが突くと
「ピリ――――」
再度寛平が突いてみるも、やはり鳴らない。
エンディング間近なのに全く終わらない秘孔コント
後の話では、台本では秘孔のくだりは1回だけだったのに、アキさんが楽しくなって何回もやってしまったとのこと。つまり、
トキやレイが鳴らなかったのはSE担当の判断ということになる。流石は吉本新喜劇。スタッフさんでもしっかりと笑いは外さない。
最終的には、
例のムーンウォークをしてから突けば寛平でも鳴る事が判明。
歩き方の重要性は、かつて師リュウケンより教わったのだと語るケンシロウ。
いや確かに北斗神拳伝承者にのみ伝えられる歩法とかあるけど!
ちょくちょく原作の設定とリンクさせるミラクルなんなん。
そしていよいよ別れの時。
リュウケンの念仏と共に再び雷鳴が鳴り響き、彼等は再び漫画の世界へ。
本の中には、何事も無かったかのようにケンシロウ達の姿が戻っていたのだった。
ただ一人、オクレラオウを除いて…
といったところで終劇
最後に、主だった出演者のコメントや、劇中での裏話トーク、そして写真撮影タイムが設けられて公演は終了。

出演者、関係者の皆様、お疲れさまでした!!
●総括
最近北斗界隈にあまり動きが無かったこともあって、コラボが発表された時はとても嬉しかったですね。情報だの考察だのといった要素からは程遠い内容ではあるのけど、こういう完全に気を抜いて見れるイベントってのも良いもんです。
観劇した感想としては、まずシンプルに吉本新喜劇を初めて生で見れたことが嬉しかった。TVでは幼いころから何度も見てきたものですが、実際に劇場で見るとまた一味違って、特に
観客の温かさが良かった。お笑いを見るぞ!っていうギラギラした感じではなく、私たちは笑いに来たんだっていう緩やかな客層が実に良い空気感を作っていました。それが北斗の拳でも変わらなかった事がいちファンとして嬉しい。
で、肝心の北斗の部分ですが、こちらは最初少し不安がありました。というのも、
北斗の拳ってお笑いと相性が良すぎるんですよ。「北斗の拳」をそのまま遂行するだけで面白くなっちゃうから。あらゆる作品にオマージュされているので、服を破いたり、「お前はもう…」と指差したり、あたたたたーと連打するみたいな、作中に登場したシーンをそのまま再現するだけで、お馴染みのギャグとして成立しちゃうんですよね。
そんな素材の便利さにあぐらをかいてしまうと、
ベタな「北斗の拳あるある」を羅列するだけの質の低い内容になりかねない。そんな心配もあったのですが、蓋を開けてみれば、全くの杞憂でした。
ケンシロウがゆっくり歩いて笑いを取るとか完全に発想の外ですもん。既存のネタに捕らわれず、北斗の拳というコンテンツを完全に自分たちのものにして新しい笑いを生み出すという、笑いの殿堂と言われる所以をまざまざを見せつけられたような気がします。
キャラクターが思ったより沢山登場したのも嬉しかったですね。事前に発表されてたのがケンシロウとレイだけで、この二人だけっていうパターンも十分ありえると思っていたので、9人も登場したのは想定外でした。加えてキャラクターの表現の仕方も良かった。オクレラオウみたいに原作からかけ離れたキャラにする手法もあったと思うんですが、実際は結構イメージ通りだったのではないかと(ポンコツ度はともかく)。研究や練習にも力を入れてくださったんだなというのが良く伝わってきました。
あと思ったのは、
こういうコラボができる漫画作品ってすごく希少なんじゃないかと。メインの客層と世代が近く、知名度があり、内容を知らなくても十分笑える作品となると、相当限られる気がするんですよね。北斗の拳というコンテンツの汎用性の高さを改めて感じた次第です。
SNSを見る限りでは評判も良かったみたいですし、予約券も当日券もすぐに売り切れてたみたいなので、
まさかの第2弾、期待しております吉本さん!花の駐在さんみたいに年1でやってもらっても全然OKですので!!宜しくお願いします!
尚、この公演の模様は、後日「BSよしもと」にて放送されるとの事。視聴できる環境の方は是非チェックしてみてください。
【CAST】
花月うどん先代:間寛平
先代の孫:酒井藍
花月うどん従業員:千葉公平
花月うどんアルバイト:小林ゆう
借金取り:太田芳伸
借金取り:レイチェル
ストーカー:野崎塁
お客さん:高関優
謎の僧侶:千原せいじ
秘書:平山昌雄
りんりんうどん社長:「EXIT」りんたろー。
ケンシロウ:アキ
レイ:「EXIT」兼近大樹
シン:佐藤太一郎
トキ:小西武蔵
バット:筒井亜由貴
ジャギ:「キャベツ確認中」キャプテン★ザコ
ザコキャラ:「キャベツ確認中」しまぞう
ラオウ:Mr.オクレ
【記事内の画像を引用させて頂いたサイト様】
・吉本新喜劇オフィシャルサイト様
・ORICON NEWS様
・キャプテン★ザコ Instagram