TOP


前の記事へ 次の記事へ


蒼天の拳リジェネシス
第8話
2018年6月27日(水)


「龍神因子」を持つ天斗の一族、創天龍人(ドラゴニアン)。
神秘の力を持つ彼らが編み出した、遺伝子を操る術、それが天斗聖陰拳。
その使い手と思われていたコール大佐であったが、彼はその力を薬物の力に頼って引き出していただけの凡骨であった。


「どうりで歯ごたえが無い」「エセ野郎」「まがいもの」といった拳さんらの誹謗中傷にも負けず、自分は神に選ばれた人間だと自己催眠をかけ続けるコール。



そんな彼が奥の手として用意していたもの。
それはハルトパパらと同じく、コールの人体実験の"失敗作"として監禁されていた、巨大な化物の集団であった。


コールですら「手に負えなくなった」と語る、5メートル級の巨人達。知性を無くした彼らにあるのは、己が体を襲う痛みと苦しみ、そこから生み出される憎しみの感情のみ。その生き地獄から解放されるには、目の前の男―――拳志郎を殺すより他に無いとけしかけ、彼らを時間稼ぎにして逃走を図るコール。



しかし、異変に感じたコールが振り向くと、そこには……






人間砲弾と化した巨人達の姿が!!

真っ直ぐコールへと向けて飛来した彼らは、そのまま重力加速度を加えたジャンピングパンチをコールへと炸裂させる。


秘孔 安楽を突かれたことで、彼らの憎しみは今、本来それを向けるべきはずの男であるコールへと集中していたのだった。



拳志郎が宣言した、コールへお見舞いする「三百発」
その残り百発余を、拳志郎に代わってコールへとぶつけ終えたその瞬間、巨人達は、まるで満足したかのように力尽きた。ようやく生き地獄から解放され、眠りへとついた彼らの顔は、安らぎに満ち満ちていた。


そんな彼らを"失敗作"と罵り、その遺骸をくそくそくそと足蹴にするコール。
己の行いを棚にあげ、死した彼らまでをも冒涜するその外道に対し、遂に拳志郎の怒りが頂点に達する。





「失敗作の文句は……おまえ自身に言え!」


今まで全ての文句を「俺に言え!」と背負ってきた拳志郎が、こればっかりは自業自得だろと言わんがばかりに「おまえ自身に言え」と名言アレンジ!

しながらの額にドン!!

秘孔突きの擬音がドンはヤバイですよ!




実験台にされた人々の痛み、苦しみ。拳志郎が突いたのは、それをコール自身に味わわせるための激痛を与える秘孔……。言うなれば、北斗有情拳とは対極に位置する、無情の拳であった。

腕が蛇腹のように折れ曲がってバキバキ骨が折れるという、頸中から下扶突がマッサージに見えるほどの激痛に身悶えるコール。それでも自分は神に選ばれたと信じて疑わないコールに対し、「おまえを選んだ神は、死神だったようだな」と久しぶりの閻王(死神)設定復活の一言を送る拳志郎。


決着はついた――――。
一時は拳志郎を相手に優位に戦いを進めていたかに見えたコール大佐であったが、終わってみれば戦いは拳志郎の圧勝に終わった。

というわけで、ここからは次なる戦いに向けての情報収集。激痛秘孔に合わせて、しっかりと自白秘孔もオプションで突いていた拳志郎は、早速コールに尋問を開始する。



だがその時、突如鳴り響く轟音と衝撃!!

床が、壁が、そして天井が次々とひび割れていく!
もはや建物の崩壊は免れない!一刻も早く脱出せねば命は無い!
しかし面子的にここで死にそうなキャラはいないので特に危機感はない!



「エリカはただの希望の目録ではない……
 エリカの頭の中には……」



そこまで口を割ったコールであったが、秘孔の配分を間違えたのか、先に絶命の効果が満期を迎え、「れれれのれっ!」とクソザコっぽい断末魔をあげはじめるコール。

しかし秘孔で爆死するまでもなく、崩落してきた巨大な岩に押しつぶされたコールは「れぴちっ」と圧死。それは、7ヶ月くらい粘ったキャラとは思えないほどの、あまりにも惨めな最期であった……




一方、崩壊が始まったと同時に捕虜達の救出へと向かったエリカとヤサカは、無事に全ての人々を解放。自分たちも退避せんと出口へと向かうが、その前に立ちはだかったのは、変な訛り口調で喋る黒マスクの三人組であった。




プレデターがいますね…


建物の崩壊は、彼らの仕掛けた爆弾によるものであった。
コールがやられた事を受け、爆破の隙に希望の目録―――つまりはエリカを浚おうと企む謎の三人組。彼らもまた天斗の者達……?

集団行動、武器&爆弾を使用、そして喋り方や見た目から判断するとザコ以外の何物でもないように思えるが、不意打ちとはいえヤサカに一太刀浴びせるその俊敏さは伊達ではない。

今のヤサカのポジショニング、そしてヒロインが浚われがちな北斗の系譜から考えると、これは不覚を取る可能性もあるか…?

そんな読者の不安を払拭せんと、相雷拳を更に進化させたかのような、両手を消失させるという新奥義をヤサカが繰り出す――――といったところで今月は終了。



【総評】

天斗だのドラゴニアンだの、新設定が乱れ飛んだ最近の話と比べると、比較的落ち着いた(?)内容の回でしたかね。なんだかんだここまで盛り上げくれたコール大佐への感謝をこめ、しっかりとした死に様を描いた、そんな回でした。


しかし、新たに登場したマスク・ド・天斗の三人組が「あのコールがこうも簡単にやられるとは……」と発言している点をみるに、一族の中でもコールはかなり上位の実力者だったのかもしれないですね。まあ、ズルだけどね。


どうでもいいけど、コールの帽子の下は金髪オールバックでした。初登場したときにもチラッと言いましたけど、やっぱりあの人に似ているような……

左のこのコマなんて、前髪の垂らし方や、額に穴が空いたことも加わって更にソックリ。





最近触れてませんでしたが、TVアニメ「蒼天の拳 REGENESIS」のほうも先日放送された12話で一旦終了となりました。
第二部は三ヵ月後の10月から開始だそうです



アニメとしての出来は……一般的にどう評価されてるのかは解りませんが、私自身は賛否両論という感じでした。



最大の駄目ポイントは、なんといっても田楽伝とカバのミニコントですね。田学芳の弟という設定までは良かったのに、どうしてこうなった。後半はもう彼らが出てくるたびにイライラしっぱなしでした。飛燕の妹弟子(?)という俺得設定キャラの緋鶴ちゃんも、この二人とのしょーもない絡みだけで三話消化し、そのまま第一部終了というね……。せめて素顔くらい見せておいて欲しかったなぁ。


あと断末魔のくどさも要らないなあ。原先生のほうから「断末魔をもっと入れて欲しい」という要望があったことは知ってますが、数じゃなくて一個一個を冗長させるのはまた違う気がするんですけど。



良かった点は、羅門に中国での出番が与えられたこと、ギーズの死に際の粘り、児鳩胸や七死星点の登場等ですかね。この辺は普通に燃えました。


全然ブタじゃないのに何故か執拗にブタよばわりされてたシャムラは、別に悪くは無かったですけど、拳志郎が天斗という強大な敵と戦っていくにおいて、最初に拳を交える使い手がコイツでええんか?と心配になりました。







そしてなんといっても注目すべきは、天斗聖陰拳ですね。
というかこのアニメは、NSPが天斗聖陰拳という新コンテンツをプッシュしていくために作ったんじゃないかってくらいの内容でした。


アニメで判明した天斗に関する情報を、自分用のメモとして纏めておきます。



●天斗聖陰拳を創始したのは「ナハシュの民」

ググってみたところ、ナハシュはヘブライ語で「蛇」の意であり、そこには預言者や魔術師、輝くものといった意味も含まれているらしい。まさに天斗の拳の特徴と完全に一致しますね。おそらく最初にナハシュを決めてから天斗の設定を構築していったのではないかなぁ。



●泰聖院にあった勾玉は、大昔に滅んだナハシュの民に伝わる伝説の秘宝

原作で「古代ユダヤの十支族」だった箇所が「ナハシュの民」に変わりました。
これはイコールと考えていいのかな……?



●紀元前、ナハシュの予言書に従い、ミガドルと約束の地を守護する西方遙か彼方発祥の民族がいた。それがナハシュの民。

ミドガルはヘブライ語で「高貴な方」。要するに、ナハシュの人らにとっての天帝みたいな存在なんでしょうね。シュムラが最後に「ミドガル!ミドガ ル!」と叫んでいた事を考えると、今の時代でもその忠誠心は受け継がれているっぽい。もしくは現代もまだ存在しているのかも。
「約束の地」「西方遥か彼方」というのは、ナハシュ=古代ユダヤとするなら、イスラエルの辺りではないかと推測されます。



●ナハシュの民の一派が東方へ向かう途中に月氏の民と出会い、西斗月拳が生まれた。

漫画リジェのほうで、「原始の拳」とは語られていましたが、アニメのほうで正式に「天斗聖陰拳は北斗や西斗の源流」であることが明らかとなりました。

ただ、北斗宗家の拳のほうはどうなんでしょうかね……?そっちは天斗の影響を受けてない独自の拳なのだとすれば、北斗神拳は完全なる天斗の傍流とは言えないですよね。個人的にはそうあって欲しい。



●天斗聖陰拳は気の流れを操る。自他の気の流れを自在に変動し、人体の操作、破壊を行う

●天斗聖陰拳には「光り輝く拳」「焼け焦げた跡が残る」という特徴が言い伝えられている。

●戦いながら相手の気を吸収し、相手を弱らせることが出来る。また、吸った気を放出して相手を攻撃したり、パンチスピードをアップさせたりすることも可能。


うーむ、漫画のほうの天斗聖陰拳とはかなり違いがあるようですね。

漫画の天斗聖陰拳は「遺伝子を操る拳」
アニメ天斗聖陰拳は「気を吸収し操作する拳」

拳法が使用者次第で様々に形態を変えるのは当たり前の事ですが、拳法の根幹の部分がこれほど違うとなると、もう別物ですよね。アニメと漫画じゃ同じ歴史を歩んでないから、拳の特徴も一致してないという認識でおk?

気の吸収は北斗孫家拳、光ったり焼いたりは元斗皇拳という先人が居ますが、吸った気でパワーアップするというのは北斗では初めてかな。かといって別に珍しい設定でもないので、個人的には漫画天斗のほうが可能性を感じる……。



●天斗が放つ気の光の名前は「ルーアハ」

こちらはヘブライ語で「霊性」。神の霊、息、風等を意味する言葉らしいです。アダムはルーアハを吹き込まれることによって生まれ、その後に生を受ける人類達もまたこれを母胎に吹き込まれることで誕生するのだとされているそうな。



●中国のどこかに、天斗の本部と思わしき場所がある。カピロテを被った幹部と思わしき者達が、円卓を囲んで話し合っている。


こんなベタベタな格好した秘密結社ある?

いつの時代のイメージだよ……。まあ1930年代が舞台の作品にそれを言うのは野暮ってもんだが。





●ナハシュの民は世界情勢の悪化する中で様々な国に武器を売りさばいて資金を得ている。そしてやがて表舞台に立ち世界に君臨する野望を抱いている。すべては、予言に従い、ナハシュの崇高なる再創生を行うため。

この発言は、上の黒頭巾幹部たちによるもの。シメオンやヒムカは一応彼らに従っている感じだが、発言に同意している様子は見受けられない。彼らは彼らで別の思想を持って動いているのかも。2部になったら普通に謀反起こされて幹部さんたち殺されてそう。





【おまけの西斗メモ】


●西斗月拳はその速さゆえに雷(いかずち)を纏う

初耳なんだが?

なんか最近、カミナリ多くない?ビジャマといいナダイといい。



前の記事へ 次の記事へ