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北斗の拳ゲームレビュー
2015年1月1日(木)
あけましてヌメでとうございます。
2015年も北斗西斗を宜しく御願い致します。

折角の正月更新なので、正月らしく双六のレビューでも。


第7弾
SUPER HARD ACTION
北斗の拳ゲーム


一片のヒネリもないストレートなネーミングに濡れる。



こちら、80年代から90年代にかけてバンダイが発売していた「パーティジョイ」シリーズのひとつ。B5サイズという持ち運びにも便利な箱に収められたボードゲームで、シリーズ全部でなんと130タイトル以上もあるらしい。ちなみに北斗のは第28弾。




箱裏面の四コマ(オチなし)





価格は1,000円ポッキリだが、そのクオリティはお値段以上!
この気合の入ったアイテムの数々を見さらせ!




中でもこのスーツ四天王の絵が特にオキニです。






一方、こちらがゲームに使用するボード。



左下のケンさんのところがスタートして、右のほうにあるキングの街(サザンクロス)へと向かい、KINGを倒せばゴールとなる。
ただすこぶる勘の悪いケンさんは、あの高台から見下ろしてもどこがキングの街かサッパリ見当がつかないので、点在する街すべてに立ち寄ってしらみつぶしに探していかねばならない。





盤の裏面。
四天王にしれっとジードが加わり五車星みたくなっとる。






これが各プレイヤーが使用するコマ。どうあがいても眉毛。
見ての通り最大4人プレイ可能だが、無論ノリノリでつきあってくれる人なんていないので、今回も私一人が2人分担当いたします。
赤ケンシロウと青ケンシロウでレリゴー。




まずは先行の赤シロウが最初の街に到着。
街は通過することができず、必ず一度止まらなくてはならない。
そしてそこでジードと対戦し、勝利すれば先へと進むことが出来る。

ちなみに街は全部で11あるのだが、そこへ到達した際には必ずジードと対戦せねばならない。
つまり周辺に点在する街々は全てジードの支配下にあるということであり、KING軍は拠点の周囲を完全にジード軍に取り囲まれてしまっているということになる。
すごいぞジード!関東一円を支配しそうな勢いだぜ!



敵とのバトルに用いるのは、プレイヤーに3枚ずつ配られている北斗神拳カードと、対戦相手のカード。つまり今回はジードカードとなる。これらをまず1枚ずつドローする。



北斗神拳カードには3つの孔が、
ジードカードには3つの赤丸が記されているのが解ってもらえるだろう。
この2枚を、北斗神拳カードを上にして重ね合わせて・・・・・・・



3つの孔から一つでも赤丸が見えれば勝利!となる。
要するに赤丸は秘孔で、それを突いたって事みたいね。
攻撃力だのサイの目だのといった面倒臭い計算も無く、かつ経絡秘孔を突くという北斗神拳の特性を活かした見事なルールと言える。




街から出た後は、黄と青の二種類のルートが用意されている。倒したジードカードに記されている矢印の色でその進行方向が決められるのだが、基本的に青ルートのほうが近道になっている。ちゃんと逆転要素も用意されてるってことやね。


遅れて青シロウも最初の街へと到着し、同様に難なくジードを撃破。
しかし今回のジードカードには「ハプニングカードを引く」との指示が。



このベタな不吉感漂うカードが「ハプニングカード」
これを一枚引き、その裏に書いてある指示に従わねばならない。
今回遭遇したハプニング、その内容は――――

食料がなくなり、体が思うように動かない!
〜北斗神拳カードを一枚失う〜

最初の街で飢餓に陥るという原作再現ミラクル。
しかし3枚しかない北斗神拳カードの1つを失うってこれヤバくね?




2つめの街に到着した赤シロウは、ここでも問題なくジードを撃破し、偶数目が出ないと進めないという試練も一発突破。青シロウとの差を広げる。
しかし次のジード戦後に引いたハプンが

前の街から助けを求めてくる!
〜通ってきた一つ前の街の出口までもどる〜

うーん見事にスゴロクしてますねぇ。

これで青シロウが逆転するか・・・・と思いきや


大切なものを忘れてきた
〜通ってきた一つ前の街の出口までもどる〜


はよ進めやおまえら









なんだかんだでゲームは中盤。
三番目の街からそれぞれ違うルートに進みました
ちなみに画像で青シロウさんが止まっている若干黒ばんだマス。ここに止まった場合もあのハプニングカードを引かされるのですが、ここで出た指令が

体の調子が悪く本来の力が出ない!
〜北斗神拳カードを1枚失う〜

マ ジ で?

これで青シロウさんの北斗神拳カード、残り1枚になっちゃったんだけど!?
北斗神拳の2/3を封じられるって、秘孔術と潜在能力100%が無くなるくらいのことよ?
それボルゲにも苦戦しちゃうレベルじゃん?






終盤に差し掛かり、キングの街まで大分迫ってきた二人。
だが青シロウさんは南から迂回していくルートなのでまだ時間がかかりそうだ。
しかしここで赤シロウが引いたハプンが

真の強者はやさしい心を持つ!
〜好きなコマを君の所まで連れてくる〜

この時代に既にゆとり運動会方式を取り入れていたバンダイの先見性。


いや別にそんな白熱した勝負にしなくてもいいから・・・
誰も勝敗とか気にしてないし・・・・






さてゲームもいよいよクライマックス。キングの街突入。
今までフラフラと街をハシゴしてたケンさん達だが、一度ここに入ってしまうともう後は本来の目的に専念。8の字を描くように街を散策しながらシンを探し続けることになる。
街の中央を走る十字のフリーウェイはブラッディークロスを表現しているのだろうか。


シンは8つの建物の中のどこかにいる。
全裸の変態のカードが置いてある所がその建物の場所だ。
だが本物のシンは只一人。この8人の中から本物のシンを見つけ出し、見事打ち倒したものがゲームの勝利者となれる。

シンと闘うには、まず街中に4つある「入口」と書いてあるマスに止まらねばならない。
そこで勝利すると、マスの矢印が示す二人のシンのどちらかをめくることができ、それが本物のシンであればゲーム終了。ハズレなら続行となる。

しかしここで問題発生。



この2枚、めくれないんですけど

入口がないんだもん・・・
多分、横の入口マスの位置を若干間違えちゃったんだな・・・




シンとのバトル方法はジードと同じだが、流石はボスだけあって、こっちは例の孔から赤丸が2つ以上見えなければ勝利することができない。
赤シロウの初戦は敗北に終ったが、青シロウは見事3つの孔とも赤丸点灯し撃破。
さて果たしてこのシンは本物だったのか・・・?






    こわい






続いて青シロウが止まったのは、キング軍団のマス。
ここではKINGの配下たちとのバトルが行われる。
既に一回KINGと戦った後なのに今更部下とやるのか・・・



でまあ引いたキング軍団員がこいつなんですが、誰だよ。
ハゲに眼帯に白髭にトンファーって個性強すぎだろ。

ご覧の通り、キング軍団カードには他カード同様の赤丸に加え、青丸も点在している。
これは、秘孔新一に代表されるような自白の秘孔を意味しており、例の孔から青丸のみが見えた場合は、相手の口を割らせ、シンの居場所に関する情報が聞きだせるのだ。
ただし赤丸が一つでも見えた場合は、勝利にはなるが情報を得ることは出来ない。何故なら赤丸はひでぶの秘孔だから、情報を吐く前に相手が息絶えてしまうのだ
つまり「ん!? まちがったかな・・・」を体験できるということだ。
これならルールで台詞言わされてもいいなぁ。全力で土師さんのモノマネするわ。




ここでも青シロウの唯一残った北斗神拳カードが威を振るい、見事情報ゲット。
どうやら手札が1枚になろうが、あんまり大勢に影響はないようだ。
はてさて、苦労して獲得したKINGに関する内容とは・・・・?


キングチップを置きなおす。

・・・えーと、つまりさっき倒したKINGの影武者も復活するってこと?

ヒントどころか余計混乱してるじゃねーか

いや、むしろ自白秘孔突かれながらも嘘告白で情報錯綜させたアイツを褒めるべきか。
流石はモブにしておくにはもったいない個性なだけはある。



その後、更に青シロウは、街から少し離れた場所にある廃墟にキングがいるとの嘘情報に踊らされホイホイおびきだされるなど迷走を繰り返したものの、挫けることなくKING軍団からバシバシ情報聞き出し、伏せられたシンカードを一枚だけ見れるという特典で見事本物を一発的中。更に好きな入口マスに飛べる権もゲットし、あっさりと本物ぶったおして勝利を得たのでした。

ゲームセット!



【総括】

使用するカードのクオリティ&バリエーションの多さ、そして秘孔という設定を上手く活かしたバトルシステムなどはお見事。ルールも明瞭で、一発逆転も十分にあり、ゲームとしてもなかなか練られていると言えるだろう。
はっきり言って文句のつけようのない良作なのだが、それでも無理矢理ケチをつけさせてもらうなら、ちょっといろんな意味で完成度を高めすぎたんじゃないか。

このゲーム盤も北斗の世界の荒廃感を非常によく表現できていると思うのだが、子供が遊ぶにはちょっとばかし土色が多すぎる気がする。もっと原色使って華やかにしたほうが良かったと思う。

ゲームシステムにしても、ストレス溜まることなく進行するのはいいのだが、こんなもん所詮キャラゲーなんだから、もっと北斗北斗させてよかったと思う。人生ゲームまでとは言わないが、各マスにもっとイベントを配置して、理不尽なハプンを巻き起こしてくれたほうがインパクトあったと思うんですよね。ちょっとおりこうさん過ぎたというか・・・。

嗚呼、多分北斗のクソゲーやりすぎて感覚がおかしくなってるんだろうな。
東映動画の罪は重い。


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