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単行本 ジュウザ外伝 2010/10/10(日)
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昨日、『北斗の拳 ジュウザ外伝 彷徨の雲』が、上下巻同時に発売されました。



この表紙だと、「彷徨の雲」は見難いし、「ジュウザ外伝」は小さいので、一番最初に目に飛び込んでくる文字は自然と「北斗の拳」ということになります。
北斗のネームバリューを存分に活かした、あざとい戦略ですね。


さて気になるのはバンチ掲載時からの修正点なんですが、正直どえらい事になってました。

前半部分のジュウザの顔が、ほぼ全て修正されていたのです。


before after


まあ簡単に言うと、アゴが伸びたわけですね。
それに伴い、童顔臭さがなくなりました。

今迄あまり意識はしてませんでしたが、よく見ると連載中にえらく顔が変わってるんですね。最終話辺りでは大体が右側のようなアゴになってました。十数話でこんだけ顔変わるのもアレだから、最終話時点でのアゴに統一しようということになったのだと思います。

つかまあ、それで改良されたのなら別に良いのですが、明らかに改悪だろ、と思わせるシーンも幾つかありまして、特に酷いと思ったのがこのコマ。

before after


Oh・・・

門倉・・・

確かにこうやってアゴを伸ばせば「原センセのジュウザ」には近くなるんですけど、このデッサンを見てると作者はそういう絵柄を描くのが不得手な感じがしますし、肝心なイケメン度も下がっちゃってる気がします。
本人の意思なのか、上からの指示なのかは知りませんが、ものすごい大変な作業だった割りにあまり報われていないというか・・・・



つーかね、別に良いと思うんですよ、顔が変わったって。原作のケンシロウだって結構変わってるじゃないですか。で、もし今原先生がケンシロウの顔を統一させて描き直したとすると、多分ロクな結果にならないと思うんですよ。序盤のケンシロウには序盤のケンシロウに合った画風があるんです。晩年の達観したような佇まいを持ったケンシロウが、ハートの肉に焦燥してるシーンなんてあってはならないでしょ。

このジュウザ外伝だって一緒なんです。第二話でカサンドラへの行き方が判らなくて迷子になるシーンなんかも、童顔のジュウザだから許されることなんです。こんなアゴ長いしっかりしたジュウザが迷子になって焦ってちゃだめなんです。旅の中で成長したって事でいいじゃないの。






まあこのアゴが一番インパクトの大きい変更点だったわけですが、購入前から最も気になっていたのはやはりあの台詞。

シュレン 「間違いない これは南斗の一派
      天狼拳の使い手・リュウガの仕業だ」


泰山天狼拳が南斗の一派ぁぁぁ!? ウソだろおおおおお!?
と当時は大騒ぎし、単行本では修正されるのか、それとも貫き通すのかに最大の焦点となっていたわけですが、結果は・・・





修正されてました!!
「南斗の一派」だけ綺麗になくなってました!


よかった・・・
本当に・・・



あと個人的に気になったのは、ジュウザに手にキスされたニーナ(ヨナ)が、バッと手を引っ込めるシーン。

あれは後にヨナが男娼させられてた事が明らかになって、ジュウザのキスでその忌まわしい思い出が蘇って伏し目がちに手を引っ込めた・・・・のだと思っていたのだが、なんか単行本では普通に顔赤くして引っ込める描写になってた。うーん、なんでこんないらん修正するかなあ。もっとあるだろう、直すところ。無抵抗村長が叩き潰されるシーンとかさあ。



その他では、風&炎のツープラトン奥義「五車炎烈風拳」が「五車火炎烈風拳」にビミョーにマイナーチェンジされてたり、拳王軍の部隊長・ガラハが小悪党っぽい顔になってたりという謎修正がありました。

ラストには、ジュウザが旅の中で出会った者達(ヤン、リオ、ヨナ、アリサ、マミヤ、アイリ)がちょっとだけ再登場するシーンが追加されていました。ヨナとアリサがなんかカップルのように見えてしまいます。自分に殺し合いをさせた男とくっつくとか、どうよ。



本来はあんまり連載版との違いとか気にしないタイプなんですが、流石にこんだけ大量に修正入るとどうしてもねぇ・・・ツッコまざるを得ないというか。まあとりあえず大変な修正作業お疲れ様でした。


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