「北斗の拳ゲーム」。
一片のヒネリもないストレートなネーミングに濡れる。
こちら、80年代〜90年代にバンダイが発売していた
「パーティジョイ」シリーズのひとつ。B5サイズという持ち運びにも便利な箱に収められたボードゲームで、シリーズ全部でなんと130タイトル以上もあるらしい。ちなみにこれは第28弾。
箱裏面の四コマ(オチなし)
価格は1,000円ポッキリ。
だが、そのクオリティはお値段以上!
この気合の入ったアイテムの数々を見さらせ!
中でもこのスーツ四天王の絵が特にオキニです。
一方、こちらがゲームに使用するボード。
左下のケンさんのところからスタートして、右のほうにあるキングの街(サザンクロス)へと向かい、KINGを倒せばゴールとなる。
ただすこぶる勘の悪いケンさんは、スタート位置の高台から見渡しても
どこがキングの街かサッパリ見当がつかないので、点在する街すべてに立ち寄ってしらみつぶしに探していかねばならない。
盤の裏面。
四天王にしれっとジードが加わり五車星みたくなっとる。
これが各プレイヤーが使用するコマ。
どうあがいても眉毛だ。
このコマ数を見ても解るとおり、最大4人プレイ可能。
が、当然今回も私一人で2人分担当いたします。
赤ケンシロウと青ケンシロウでレリゴー。
まずは先行の赤シロウが最初の街に到着。
街は通過することができず、必ず一度止まらなくてはならない。
そしてそこで
ジードと対戦し、勝利すれば先へと進むことが出来る。
ちなみに街は全部で11あるのだが、そこへ到達した際には
必ずジードと対戦せねばならない。
つまり
周辺に点在する街々は全てジードの支配下にあるということであり、KING軍は拠点の周囲を完全にジード軍に取り囲まれてしまっているということになる。
すごいぞジード!関東一円を制圧しそうな勢いだぜ!
バトルに使用するのは3枚ずつ配られている
北斗神拳カード。
そして対戦相手のカード。今回は
ジードカードだね。
これらをまず1枚ずつドローする。
北斗神拳カード(左)には、
3つの穴が、
ジードカードには3つの
赤丸がある。
この2枚を、北斗神拳カードを上にして重ねて・・・
3つの穴から一つでも赤丸が見えれば勝利!となる。
要するに赤丸は「秘孔」を表していて、「穴から見える=秘孔を突くことに成功した」ということを表現しているみたいね。
攻撃力だのサイコロの目だのといった面倒臭い計算も無く、かつ経絡秘孔を突くという北斗神拳の特性を活かした、洗練されたルールと言える。
街から出た後は、黄と青の二種類のルートに別れる。
倒したジードカードに記されている矢印の色でその進行方向が決められるのだが、基本的に青ルートのほうが近道になっている。ちゃんと逆転要素も用意されてるってことやね。
遅れて青シロウも最初の街へと到着し、同様にジードを撃破。
しかし今回のジードカードには
「ハプニングカードを引く」との指示が記されていた。
このカラス舞う不吉そうなのが
「ハプニングカード」。
これを一枚引き、その裏に書いてある指示に従わねばならない。
今回遭遇したハプニング、その内容は――――
食料がなくなり、体が思うように動かない!
〜北斗神拳カードを一枚失う〜 |
最初の街で飢餓に陥るという原作再現ミラクル。
しかし・・・北斗神拳カードって3枚しかないんだけど
早速そのうちの1つを失うってこれヤバいんじゃないの?
2つめの街に到着した赤シロウは、ここでも問題なくジードを撃破し、偶数目が出ないと進めないという試練も一発突破。青シロウとの差を広げる。
しかし次のジード戦後に引いたハプンが。
前の街から助けを求めてくる!
〜通ってきた一つ前の街の出口までもどる〜 |
うーん見事にスゴロクしてますねぇ。
これで青シロウが逆転するか・・・・と思いきや
大切なものを忘れてきた
〜通ってきた一つ前の街の出口までもどる〜 |
はよ進めやおまえら
なんだかんだでゲームは中盤。
三番目の街からそれぞれ違うルートに進みました
ちなみに画像で青シロウさんが止まっている若干黒ばんだマス。ここに止まった場合もあのハプニングカードを引かされるのですが、ここで出た指令が
体の調子が悪く本来の力が出ない!
〜北斗神拳カードを1枚失う〜 |
マ ジ で?
これで青シロウの北斗神拳カードは残り1枚に。
北斗神拳の2/3を封じられるってこれもう終わってるだろ。
終盤に差し掛かり、キングの街まで大分迫ってきた二人。
だが青シロウさんは南から迂回していくルートなのでまだ時間がかかりそうだ。
しかしここで赤シロウが引いたハプンが
真の強者はやさしい心を持つ!
〜好きなコマを君の所まで連れてくる〜 |
まさかのゆとり運動会仕様。
いや別にそんな白熱した勝負にしなくてもいいから……
誰も勝敗とか気にしてないし……
さてゲームもいよいよクライマックス。
赤シロウが先んじて
キングの街へと突入。
今までフラフラと街をハシゴしてたケンさん達だが、一度ここに入ってしまうともう後は本来の目的に専念。8の字を描くように街を散策しながらシンを探し続けることになる。
街の中央を走る十字路はブラッディークロスを表現しているのか?
シンは8つの建物の中のどこかにいる。
全裸の変態のカードが置いてある所がその建物の場所だ。
だが本物のシンは、この中のたった一つだけ。
8人の中から本物のシンを見つけ出し、見事打ち倒したものが勝者となる。
シンと闘うには、まず4つある
「入口」のマスに止まらねばならない。
そこでバトル勝利すると、
マスの矢印が示す二人のシンのどちらかをめくることができる。それが本物のシンであればゲーム終了。ハズレなら続行となる。
しかしここで問題発生。
この2枚、めくれないんですけど
入口がないんだもん・・・
多分、横の入口マスの位置を間違えちゃったんだな・・・
シンとのバトル方法はジードと同じ。
だが流石はボスだけあって、シンの場合は例の穴から
赤丸が2つ以上見えなければ勝利することは出来ない。
初戦敗北した赤シロウに対し、青シロウは見事3つの孔とも赤丸点灯し撃破。
さて果たしてこのシンは本物だったのか・・・?
ハズレ。
ていうかこわい。
続いて青シロウが止まったのは、
キング軍団のマス。
ここにきてもまだ雑魚戦をさせられるのか。
でまあ引いたキング軍団員がこれなんですが・・・・
誰だよ。
ハゲに眼帯に白髭にトンファーって個性強すぎだろ。
上図の通りキング軍団カードには、赤丸に加え、
青丸も点在している。
これは、秘孔新一に代表されるような
自白の秘孔を意味しており、例の孔から青丸のみが見えた場合は、相手の口を割らせ、
シンの居場所に関する情報が聞きだせるのだ。
ただし赤丸が一つでも見えた場合は、勝利にはなるが情報は吐かせられない。
何故なら赤丸はひでぶの秘孔だから、自白させる前に相手が死んでしまうのだ。
すごく納得のいくシステムだ。
これ考えたヤツ天才か。
ここでも青シロウの唯一残った北斗神拳カードが威を振るい、見事情報ゲット。
手札が1枚になろうが大勢に影響はないようだ。
さて、苦労して獲得したKINGに関する内容とは・・・・?
・・・えーと・・・・
つまりさっき倒したKINGの影武者も復活するってこと?
ヒントどころか余計混乱してるじゃねーか
いや、むしろ自白秘孔突かれながらも嘘告白で情報錯綜させたアイツを褒めるべきか。流石はモブにしておくにはもったいない個性なだけはある。
その後、更に青シロウは、
街から少し離れた場所にある廃墟にキングがいるとの嘘情報に踊らされホイホイおびきだされるなど迷走を繰り返したものの、挫けることなくKING軍団からバシバシ情報聞き出し
、伏せられたシンカードを一枚だけ見れるという特典で見事本物を一発的中。更に
好きな入口マスに飛べる権もゲットし、あっさりと本物ぶったおして勝利を得たのでした。
ゲームセット!
【総評】
使用するカードのクオリティ&バリエーションの多さ、そして秘孔という設定を上手く活かしたバトルシステムなどはお見事。ルールも明瞭で、一発逆転も十分にあり、ゲームとしてもなかなか練られていると言えるだろう。
はっきり言って文句のつけようのない良作なのだが、それでも無理矢理ケチをつけさせてもらうなら、ちょっといろんな意味で完成度を高めすぎたんじゃないか。
このゲーム盤も北斗の世界の荒廃感を非常によく表現できていると思うのだが、子供が遊ぶにはちょっとばかし
土色が多すぎる気がする。もっと原色使って華やかにしたほうが良かったと思う。
ゲームシステムにしても、ストレス溜まることなく進行するのはいいのだが、こんなもん所詮キャラゲーなんだから、もっと北斗北斗させてよかったと思う。人生ゲームまでとは言わないが、各マスにもっとイベントを配置して、理不尽なハプンを巻き起こしてくれたほうがインパクトあったと思うんですよね。ちょっとおりこうさん過ぎたというか・・・。
嗚呼、多分北斗のクソゲーやりすぎて感覚がおかしくなってるんだろうな。
東映動画の罪は重い。