1984年にバンダイから発売された
ゲーム&ウォッチです。
今の若年層にゲームウォッチとか言っても通じないのでは……
ゲラゲラポー的なものと思われるんじゃ……
尚、正確には「ゲーム&ウォッチ」は任天堂に限った呼称らしい。
でも面倒臭いのでこれもゲームウォッチとして進めます。
こちらが本体。
十字レバーが右側というサウスポー仕様がいなせだ。
取扱説明書が無いので、色々試しながらゲームシステムを模索。
……しようと思ったのだが、
10秒経たずにゲームオーバーになった。
3機あるのに10秒持たなかったのである。
これだ、この理不尽さこそが80年代だ。
内容的にはよくあるゲーム&ウォッチと同じ。
無尽蔵に沸き続ける敵を次々と葬り、点数を稼いでいく。ただそれだけだ。
全絵柄を表示させるとこんな感じ。
中央付近を御覧頂きたい。
ケンさんが2つのポジションで攻撃しているのが解ってもらえると思う。
これがこのゲームにおけるケンシロウの行動範囲、その全てとなる。
中央付近に留まり、相手が攻撃してくるのをひたすらに待つ……
そう、このゲームは自ら敵に攻撃を仕掛けるのではなく、相手の攻撃を誘ってそれを迎撃する
柔の拳のゲームなのだ。
それでは愛くるしい敵キャラ達を紹介していこう。
まずは右上に登場する
スペード。
投げてくる
斧を、タイミングを合わせてキックで弾きとばそう(10点)
使用するのがアタックボタンでなく、
十字キーの上というのがミソだ。
というかこのゲーム、殆ど十字キーしかつかわん。
ブラッディークロスだから・・・?
ブラッディークロスだから十字キーなの・・・?
スペードで注目すべきは、
この
艶かしい下半身であろう。
ムッチムチやでぇ
右下に現れるのが
ダイヤだ。暗くて申し訳ない。
得意の
棒術を披露しながらスススと近付いてくる。
蹴って迎撃すると、物理法則を無視した方向に吹っ飛んでちぬ。
勿論攻撃ボタンは十字キーの下だ。
このダイヤとスペードは、画面右側から出てくる敵なので、当然ケンシロウも右側のポジションで迎え撃つことになる。だがダイヤの場合は
ケンが左側のポジションにいても、その背後にしのびよって攻撃してくるいやらしい奴だ。
しかもここまで近寄られると撃退する術が無いため、プレイヤーは速やかに右側ポジションに移動して回避するしかない。かといって早く移動しすぎても右側で攻撃を受けてしまうという、なかなかの強敵だ。安全圏から斧をチマチマ投げてくるだけのスペードとは格が違う。生まれて初めてダイヤを強敵だと思った。
左上から飛び掛ってくるかのように襲ってくるのが
クラブ。
個人的には2コマ目と3コマ目のポーズは逆の方がよかったと思う。
ジャンプして襲い掛かるというのは北斗の拳の世界において死亡フラグなので、ペチンと吹っ飛ばしてやろう。
クラブもダイヤ同様、逆のポジションに居ても近寄ってきて攻撃してくる。
南斗無音拳ばりの背後の取り方だ。カッコイイぞ。
左下からはエレファントことアルフレッドこと
ハートが登場。
巨大……というほどでもない岩を投げて攻撃してくるので、それを破壊する。
微妙にスライダーの変化をつけた投石にイラッとさせられる。
ちなみにハートの岩石投げ攻撃は、他の作品では見ることが出来ない。このゲームのみのオリジナル攻撃だ。いや……拳法殺しの身体使えよ。
ボスである
シンは、画面の左右に登場。
アタックボタン二連打で攻撃することが出来る。
ちなみに十字キー以外のボタンを使うのはここだけだ。
思う存分押そう。
何わろてんねん
ところで先程こいつの事をボスと言ったな。
あれは嘘だ。
一般的にゲームのボスといえばザコより強烈な攻撃をしてくるものだが
そもそもこいつは
一切攻撃をしてこない。
一方的にこちらから攻撃し、200点を得るためだけのボーナスキャラ。
いわゆる
インベーダーのUFO的存在なのである。
ゲームで冷遇される事の多いシンだが、これはその究極系と言えよう。
この手刀は一見攻撃のように見えるが、これはただの
ガード。
このタイミングで攻撃すると、200点が100点に減る、ただそれだけだ。
ケンシロウに一切ダメージは無い。
敵キャラ以外では、
バットと
ユリアが登場するのだが……
ケンシロウとシンが戦っている間に割り込むように出現するのでとても邪魔だ。
右側のユリアなんて、両者の攻撃を受けてるようにも見えますね。
まるで天の覇王アニメ版最終回のサクヤのようだ。
彼らが登場するのは別にいい。
ただ
こいつら存在意義がサッパリ判らん。
味方だとは思うのだが、何もプラスになっているように思えない。
本当にわからなかったので、他にこのゲームのレビューをやられている他所様のサイトを読ませていただいたところ、どうやらこの二人は
シンに捕らわれている人質設定で、
こいつらが表示されている間、ケンはシンを攻撃できないという仕様になっているらしい。
つまりシンは
バットやユリアを盾にしているのだ。
※イメージ画
画面右上の方にはケンシロウの生首が並んでいる。
これが
ライフだ。全3機。
1機やられる毎にこのケンシロウが減って……いくのではなく、
増えていく。
そう、これは
死んだケンシロウの人数を表しているのだ。
ホントに生首じゃねえか。
肝心のゲームのほうですが、正直かなり難しいです。
9990点でカンストらしいのだが、とても到達できる気がしない。
だってどんどん敵のスピードが上がっていくんですもの。ゲームウォッチあるあるですけどね。オッサンの反射神経じゃ1000点を越えた時点でもう相手が無想転生使ってるくらいの絶望感ですよ。ていうか
クラブが死ぬ前にもう一人クラブが出てきたりすんだもん。誰だよお前。
いや、別にスピードについていけないってわけじゃないのよ。
問題は
十字レバーの入力に求められる正確性がシビアすぎる事なのよ。
ちゃんと真っ直ぐに上下に入力できてないのか、古いから反応が悪いのかは知らんけど、ここぞというタイミングでケンさんが棒立ちになっちゃうのよね。特にダイヤへの蹴りがなかなか出てくれないので大概コイツに殴られて死ぬ。ダイヤつよい。棒術こわい。
それでもこの齢までゲームやり続けているダメな大人の経験値でなんとか押し進め、やっとこさ5000点くらいまで到達。十分堪能したのでさあリセットして終わるか……と思ったのだが、ここで事件発生。
電源スイッチがねえ
こういうのは大概、側面にスイッチが……無い。
アタックボタンの下に「ACL」って書いてある爪楊枝じゃないと押せないボタンがあるけど、押してもただリセットされるだけでオフにはならない……
ボタン押しっぱも、暫く放置しても、全然消えない……
説明書……説明書を……誰か……
ん……?そういえばこれ、
電池入れた瞬間に電源ついてたな
つまりこのゲームのオンオフは、電池のインアウトってこと……?
そ、そういうもんだっけ……?昭和ってそうだっけ……?
【総評】