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LightWave初心者が
ケンシロウを作る

筆:2002/5/20


最近LightWave3Dというソフトをいじっている。


細かい説明はメンドイのでしないが、まあ要するに3Dでいろいろ作ったりするもんだ。ていうか私もそうとしか説明できん。ちなみにバージョンは7.0。



いろいろサイトを見回っていろんな人のレベルをみてみたが、ざっと今の自分の力では100位中88位くらいの技術力かなと思った。

使い始めたばかりなのに88位に位置しているのは、

「おめーコレちゃんと実物見ながら作った?」

と思わせるものや

「これ3DCGアイドルでなくてグロ画像でしょ?」

という作品も多々あったからだ。


でもまあソフトを使いこなしているかという点では、現状の私はそれ以下であることは間違いない。しかし頼る人もいなければ解りやすい初心者用のサイトもないし、本は高い。というわけで開き直ってトコトン独学で行くことにした。





以前にも3Dソフトを使って何個か作品を作っていたので、このLightWaveも勝手は違えど、一応スンナリ使いはじめることは出来た。更に厚さ4cmにも及ぼうかという常識外れの説明書も、根性で読破。


というわけで、さあ製作開始だ!


……と思ったのだがネタがない。

単純に北斗キャラを1体作るだけでもいいのだが、どうせ作るなら大作が良い。となればやはりアニメーション。そして大作となれば2分くらいは要る。


ならば作るものは一つ。
そう、TVアニメ北斗の拳のオープニングしかなかろう。





ただ「愛を取り戻せ!」のやつは、既にプレイステーション版のゲームが作成済みなので、ここはあえて北斗の拳2のタフボーイの方でいくことにした。

作ってやるぜ・・・バンダイを遥かに凌ぐ傑作をな!













と意気込んだのがそもそもの判断ミスであった。




まずは操作に慣れるために簡単なものから作ることにしよう。
オープニング映像をみて手ごろなブツはないか確認。





ん〜〜〜〜・・・・よし!ボウガンだな!
バットのボウガンを作るぜ!








と、鼻息荒く作ったのがこちら。
 



……ま、まあ下手でもないと思うが……

正直、アホでもコレくらいはできる。

ただ、弦を忘れている。





よし!トレーニング終了!
次からが本番だ!

というわけで次は……えーと……

よし、ケンシロウに挑戦だ!!






ハッキリ言って人体のモデリングはあらゆる物の中で一番難しいと言われるものであり、クソッタレボウガンをなんとかこしらえただけの男が手をつけていいものではないのかもしれない。

でも作り始めてしまった。

なんでか。

それは我慢できなかったから。

というかやる気のあるうちに一番大きなブツを作り終えておかないと続かないと思ったからというのが正直なところです。








そんなわけで製作着手。とりあえず顔を作ってみた。








既に雲行きが怪しい

はやく人間になりたい。







数時間賭けて、少しずつヒューマンに近づけていく。




なんとか形になってきたかな。

一応ケンシロウ以外の顔にも流用できるよう、中途半端な顔にしておいた。
ここから徐々にケンシロウに近づけていく。




次にケンシロウ最大の特徴であるマユゲをテクスチャーで貼り付け。
更にアゴを細めてみる。






どこからどうみてもケンシロウだ!!
これにて完成です!!!


……てことはないが、まずまずいい感じだ。

とりあえず一旦レンダリングしてみよう。
レンダリングとはいわゆる、完成したモノを配置して写真にとってみるみたいな感じの事。上記のやつは作業用の画面であり、綺麗には映らないのだ。

 
一旦作業用のアプリケーション「モデラー」を閉じ、レンダリングやアニメーションを行うための「レイアウト」を立ち上げる。順調すぎる作業に浮かれながら、先ほどつくったケンシロウのファイルを指定しオープン!















変なダイアログが出た。


ハァ?と重いながら閉じるをクリックすると、レイアウトソフトがつつがなくシャットダウンした。



……まあ、バグくらいあるさ!


気を取り直してもう一度起動させてぇ……


ファイルをオープン!














オ――――――――プン!!






なんでだよ!!
ボウガンは開けただろ!!
なんでケンさんの顔はだめなんだよ!
顔はNGって風俗嬢かよ!!











結局、何度やってもケンシロウフェイスが開くことはなかった。



傷心の私は、とりあえずボディから先に作ることにした。
顔ほど精巧に作らなくても筋肉さえ作ればケンシロウの体になるだろうし、まあ適当に作ればいけるだろう。とりあえず腕から。





これつくるのに4時間かかりました。

全然簡単じゃねえよボディ……
顔の数千倍難しいよ……







胴体は前面から作ることにした。



この辺の筋肉はイラストでも結構描いてるので、だいたいどんなもんなのかイメージしながら作ることが出来たかな。あくまでだいたいだが。


尚、LightWaveユーザーならお気づきだろうが、私はサブパッチを使っていない。

サブパッチというのは簡単に言うとオブジェクトをまーるく保つようなもので、同じ立方体の端をひっぱってもこれくらい違う。



無機質なものの場合は左のほうがいいけど、人間の身体とか作るには右のほうが作りやすそうでしょ?

そんな便利なものがあるなら何故それ使わないのかって?

そんなもんおまえ、こんときまだ知らなかったからだよ。







次に背面の作業へ。



これがかなり難しい。
というか背中の筋肉なんてワカラン。
北斗やバキをいろいろ見ながら必死にポリゴンを組み立てていく。
サブパッチさえ知ってたらもっと楽だったのに……





次に手。

何も考えずに作っていたら、いつのまにかものすごいポリゴン数になっていた。
ポリゴン数が多いとレンダリングに時間がかかる。
特にアニメーションなんかさせたらえらいことになるのだ。

もちろんポリゴン数が多いほうがリアルなものが作れるのだが、容量が爆発的に増えてしまうので、そのへんのパランスを考えて作らなきゃ駄目。というわけで手ごときにそんなポリゴンは使ってられんということで作り直して出来たのがこれ。



うーん・・・微妙だが、まあそんなにこだわらんでいいだろう。






とりあえず、これまでに作ったパーツをドッキングさせてみる。

ついでにリストバンドと包帯もつけ、お約束の七つの傷をつけた。
それをレンダリングしたのがこれだ。




おお、おお、いいじゃないか。
肩から腕にかけての筋肉が変だが、そのへんは修正していけばいいよね。
素人にしては中々の出来と言ってもいいんじゃない?




ノッてきたので、下半身の前に顔面作り再開。

口の中までちゃんと作り、髪の毛も装着。



髪形がちょっと変に見えるが、これをレンダリングして見ると




と、このように結構いいかんじになる。






さっきのようなアレが出ないよう何度もレイアウトソフトを開き、逐一確認しながらの作業を続けた末、ようやく完成。

今度こその思いを込めてレイアウト機動。

ファイル選択。

開く。

















なんでだよ!!
さっきまで出てなかったじゃん!!





初期作のとあわせて約60時間が無駄になってもうたってこと?
ぼくのやる気が低下しすぎて管理ポスト入り直前です。







とりあえずエラーの出る原因を突き止めないと先に進めない。
というわけで専門のHPに聞いてみた。
そしたら

「そんなシステム的なこと解るわけねーだろアホ」

と言われたので、今度はこのソフトを作っているディストームに電話。
そしたら

「てめーのPCの問題だからそこに電話しろアホ」

といわれたのでCOMPAQに電話。
そしたら

「原因はグラフィックカードだと思うけどそれ作ってるのはインテルだからわかんねーよ。そこ電話して聞けアホ」

と言われた。
ネット社会は初心者に厳しい。





途方にくれたまま再度製作に着手。
どうしようかな……ウジウジしながらソフトをいじっていたところ、なんとちょっとしたことで簡単にエラーは直ってしまった。


先ほども電話で言われたのただが、原因はPCのグラフィックカードにあるらしい。要するにこのPCでは色とかの処理速度が追いつかないみたいな事らしいのだ。




というわけで、普段は4つの画面で操作しているこの画面を




こう二つにしてやると

あらまあ直っちゃったというわけさ。

多少不便にはなるが、この程度で作業できるんならなんでもいいよ。
よかった・・・






つうわけで改めて作業再開。
おざなりになってた下半身の製作にはいる。





ズボンは意外と構造が難しく、出来上がったものは構造上履けぬブツであった。でもまあズボンに見えればそれでいい。
シワをフィーリングで入れてみたが、なんとなく微妙な感じ。










次にブーツ。
一応当初の予定通り、北斗2のOPのケンを参考にしているので、このようなデザインのものになった。

しかしぶっちゃけると、もうこの時点で「OPアニメを作る」なんて大それたことはとうに断念していました。

このあとOPアニメが見れるのか?と思いながら記事を読んでくださっていた方は、速やかにブラウザバックしてください。





これでとりあえず全パーツ完成。
早速組み合わせてみるとこんな感じになった。



ええやんええやん素敵やん。
ていうか俺凄いやん?




調子にノってきた私は、早速レイアウトのソフトで、未完成ながらケンシロウにカッコイイポージングをさせてみることにした。


キャラを動かすにはいろいろあるのだが、こういうひとかたまりのオブジェクトの形状を変えて動かすには、ボーンを使うしかない。

ボーンとはそのまんま、骨のこと。作ったケンシロウのポリゴンの中にボーンを埋め込み、それを動かしたり回転させたりすることでキャラを動かすのだ。




ケンの肉体を嘗め回しながらボーンを埋め込んで、レッツポージング!

まずはカル〜く右手を上げてもらおう。






(´・ω・`)?



なんか変だ。
なんていうか、広背筋のあたりがハリキリすぎている。




気を取り直して腕を曲げてもらおう





腕があああああああああ!!!!

ケンさんの腕がああああああああああ!!
なんかサランラップの芯を折ったみたいになってるううううう!!



よ、よし、じゃあ首をまわそう。それなら




パ、パラサイトォー!!





原因は色々あるが、まずボーンのシステムを理解していなかった。

ボーンとは骨といったが、本当に骨のように働いてくれるわけではなく、その骨の周りにあるモノを磁石のように引っ付けてくれるようなものなのである。だからその磁力が及ぶ範囲も限られているし、逆に範囲内なら不必要なものまで引っ張ってきてしまうのだ。アゴのとかはまさにこれ。

そして、ケンの体をひとつのオブジェクトにしてしまったのもいけなかった。解りやすく言うと、稼動しないフィギュアのようなものだ。それを無理矢理曲げようとするからこうなるのだ。頭手足を動かすなら、稼動するフィギュアがごとく、それぞれを個別のオブジェクトとして作るべきだったのである。つまりは七人の悪魔超人編の時にバラバラにされたミート君のような感じで各部のパーツを作り、それを組み合わせたほうが良いのだ。





しかしここまで来たらとりあえず何かは完成させたいということで、手直しする前に無理矢理作品を一個作り上げてみた。

丁度最近、黒タカ氏が運営する「墓標」様と相互リンクさせていただいたので、そこへのプレゼントとしようと思って完成させたのがこちら。




判る人なら判ってくれると思うが、「FC北斗の拳1を3D化したら」というコンセプトで作ってみた。上部の黒ウインドウとか、あべしのいいかげんさが、急いで作った感を演出してくれる。

ただ、かなり強引に作ったので、カメラアングルで見えないところはボーンの未熟さによってお見せできないほどグロいことになっている。





とりあえず一度くっつけた部品を再度バラして、再構築。

頭、体、ズボン、靴には分けたが、一番大事な体と腕は切り離せなかった。
ここんとこにつなぎ目が出来てしまうのは嫌だったからだ。




とりあえず今回はボーンを細かく埋めることで解決することにした。
むりくりだが、応急処置としてはそれなりに上手くいったと思う。


後で調べたところによると、こんなことしなくてもボーンの影響が及ぶ範囲とかを設定できたらしいのだが、そんなんしらんがな。先に言え。


しかしこれだけやってもまだ筋肉の変化の仕方がおかしいので、もうあんまり無茶なポーズをさせるのは止めた。

というわけでテキトウにポーズ取らせてみたのがコレ




ビックリするほど単純なポーズになってしまったが、仕方がない。


次に周りに配置するものを考える。
しかし面倒なので、結局暗い室内という事にして床だけ作った。




結局これが一番上手く出来た気がする。






そしてこちらが、秘孔突かれているモヒカン。

本当はひでぶってるシーンを作りたかったのだがメンドイのでやめ。
モヒカンの毛の部分は、サスカッチというレンダリングしたときだけに毛が見えるというソフトを使った。なので結構いい感じの質感になっているが、当然これは私が凄いのではなくて、サスカッチを作った人が凄いのだ。

頭の血管はプロージャルレイヤーというもので、浮き出ている感を出している。使った当初はオオッと思ったけど、今見たらそんなにリアルじゃないなざ。メロンみたいだ。血管てもっと太かったり細かったりするよね。




いよいよ最終仕上げ。
ズボンも質感を出してみた。



まあまあジーパンっぽい生地になった。





これらを全てを配置してライトの強さや色を調節。
そしてレンダリングして……

ついに完成!




自分的にはまあそこそこの納得の出来……かな。
ド最初の作品としては十分だろう。こんなもんでしょ。
こちらは、羅将様の「修羅の国」300000HIT記念の贈呈品にしました。



しかし後々よく見直してみると、全体的になんか色が薄い気がしてきた。
おそらくコントラストが弱いのだ。

なので、フォトショでコントラストをいじるという反則技を使い・・・

出来上がったのがこちら。




陰影強すぎる気もするけど……
一気に迫力が増したぞ!


というわけでこっちが真の私の3D作品第一弾という事になります。
グラビアでもなんでも、やっぱりフォトショ仕上げは欠かせないね!






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