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ストーリー紹介@

第一期 1〜4話 5〜8話 9〜12話
第二期 13〜16話 17〜20話 21〜24話



第一話「北斗神拳伝承者 霞拳志郎」



[ストーリー]
 上海の屋台街を歩く青幇達。彼らに向け、突如マシンガンを持った紅華会の残党達が襲い掛る。だが彼らの凶行は、一人の男によって止められた。北斗神拳伝承者 霞拳志郎。『閻王』と呼ばれ上海にその名を轟かせる男であった。紅華会の壊滅により、青幇との永きに渡る抗争は終結を迎えた。だが、上海に平和は訪れなかった。青幇の勢力を危険視した中国政府が、今度は青幇の壊滅、そして閻王の抹殺に向けて動き出していた。

 大新世界。青幇達が集うその店では、御大・潘光琳の引退、そしてその跡目に妹の潘玉玲が就いたことへの祝宴が催されていた。青幇がここまでこれたのも、フランス軍の大佐であるシャルル・ド・ギーズの助力があってこそ。そう言って礼を述べる潘光琳の言葉に、堅く握手を交わして応えるギーズ。だが彼にはもう一つの夢があった。それは、国や民族を超え、行き場の無い者達が安寧に暮らせる地を作ること。北大路財閥総帥 北大路剛士の協力を得て、まもなくギーズのもとへと届けられる「希望の目録」こそが、その夢の実現のための鍵であった。

 「希望の目録」を持つ少女、エリカ・アレント。彼女を護衛し、ハルピン駅へと旅を続けてきたのは、「死鳥鬼」と呼ばれる中国随一の拳法家 流飛燕であった。依頼者達にエリカを目録を引き渡し、これで飛燕の仕事は完了。だがその直後、待ち伏せていたドイツ軍の刺客により、依頼者達は皆殺しにされてしまう。目録を奪ったドイツ軍は、もはや用済みだとエリカを殺そうとするが、次の瞬間、彼らの身体は飛燕の拳によって切り刻まれていた。エリカを守ること。それが今の飛燕の生きる理由なのであった。

 目録の受け渡し場所へ向かうギーズの前に、一人の男が立ちはだかった。「北斗」を敵視する謎の男の拳が、ギーズへと襲い掛かる。悲鳴を聞いて駆けつけた拳志郎であったが、既にそこには息絶えたギーズの亡骸があった。遅れて現れた飛燕は、目の前にいる拳志郎がギーズ殺しの犯人と誤認。フランス軍の銃撃から逃れ、黄浦江の小船へと身を隠した二人は、改めてそこで拳をぶつけ合う……


[登場した流派・奥義]
・北斗神拳
・極十字聖拳
・北斗孫家拳



[原作との比較]
原作の流飛燕編の開始(105話)から、小舟の上で拳志郎と飛燕が闘うまで(124話)のエピソード。ただし内容は大きく改変・削除されている。

●カットされた箇所
張太炎、章烈山、羅虎城、彪白鳳、魏瑞鷹、蒋介石ら国民党の将軍達、熊笹徳三郎、天鬼、李集雲、応、曼、五島泰治といったキャラクター達の出番、及び関連するエピソードは全てカット。

●変更された箇所
・紅華会は、市場で拳志郎が残党を片付けたことで壊滅を迎える。(原作では張太炎や章烈山の敗北などが切欠)
・中国政府が青幇壊滅にのりだす(原作では閻王のみ標的)
・閻王に100万元の賞金をかけられる(原作では10万元)
・飛燕に中国政府からの閻王抹殺の依頼は届かない
・ギーズの死にまつわるエピソードが大幅に変更
・ギーズを殺しにくる相手が飛燕からヤサカに変更
・飛燕は無条件でエリカをギーズに預けるつもりだった
・拳志郎が駆けつけた時ギーズは既に死亡(原作は瀕死)
・ヤサカの出番が原作よりもかなり早い

・拳志郎と飛燕が出会うのがギーズ襲撃現場に変更(原作は共産党アジト)

●アニメオリジナル要素
・「193X年、世は再び乱世に突入しようとしていた」というナレーション。
・葉をはじめとした青幇の面々が、マシンガンを持った紅華会の残党に襲撃され、それを拳志郎が救うという展開。
・新聞「民民日報」に紅華会殲滅の記事。「北七新聞有限公司」の方には大新世界で閻王が黄西飛を殺害した記事の他、ギーズ、楊美玉に関する記事、また交産銀行(梨花の元婚約者の会社)の広告などあり。
・潘光琳とギーズの頭上に死兆星が輝く(本人達は気付かず)
・ギーズ死亡現場で拳志郎と飛燕が鉢合わせる展開







第二話「届かぬ願い」


[ストーリー]
 北斗神拳の伝承者 霞拳志郎。そう名乗った目の前の男がギーズを殺したと思い込み、必殺の拳を繰り出す飛燕。触れた事すら気付かせぬ切れ味鋭い拳で攻め立てる飛燕であったが、その戦いは玉玲によって制止された。この先の橋でドイツ軍が待ち構えている。そう告げられた拳志郎と飛燕は、一旦小船の中へと身を潜め、そしてギーズを殺した張本人が別にいることを知らされるのだった。

 ドイツの総督が狙う「希望の目録」。そこには2万点にも及ぶ美術品の在り処が記されているという。その資金を元に、行き場の無い人々の安息の地を作ること。それが亡きギーズの夢であった。人を守れるのは夢ではなく力。そう語る飛燕に対し、玉玲は言う。力だけでは「心」は守れないのだと。その後、ドイツ軍がフランス軍と衝突したのを好機にその場を離れようとした玉玲であったが、既に飛燕とエリカの姿は小船の中から消えていたのだった。

 教会にてギーズを弔う拳志郎や青幇の面々。そこに参列していた北大路は、あの夜に目撃した事を語った。襲い掛かってきた謎の男の拳を受けながらも、北斗孫家拳を駆使して渡り合うギーズ。闘気を込めた渾身の双掌打が決まり、勝利したかに見えたギーズであったが、既にその身体には秘孔が突かれていた。流血し、動けなくなったギーズに向け、相手が止めの拳を振り上げる。駆けつけた北大路は、なんとか男を静止しようとするも、吹っ飛ばされ気を失ってしまった。目覚めたとき、北大路が朧げに目にしたのは、ギーズに止めを刺した男の「光り輝く拳」であった。

 エリカの心は、力だけでは守れない。その玉玲の言葉を聞いて、飛燕はエリカと出合った時の事を思い出していた。飛燕が駆けつけた時、既にエリカの家族はドイツ軍によって惨殺されていた。僅かに息のあった母親から託された「希望の目録」。それは、エリカの記憶の中にのみ存在していたのだった。母が息絶えても、エリカは泣かなかった。自分が泣けばママが哀しむ。そう言って指で口角を上げて笑い、亡き母の膝枕にすがるエリカの姿を見たとき、飛燕の目には枯れ果てたはずの涙が流れていた。自分がエリカにしてやれることは何か。病に蝕まれた飛燕には、その答を導き出すまでの時間は残されていなかった。


[登場した流派・奥義]
・死鳥血条斬

[原作との比較]
拳志郎vs飛燕の初戦(124話)から、飛燕が拳志郎との決着をつけにいく直前まで。ただし内容は原作から大きく改変されている。

●カットされた箇所
・小舟の船頭の出番
・拳志郎が二指真空把で飛燕の短剣を受け止めるシーン
・玉玲の銃が飛燕に切断されるシーン
・黄浦江の傍でギーズの最期を看取るシーン

●変更された箇所
・飛燕が死鳥血条斬を繰り出す相手がギーズから拳志郎に変更。効果の方も、ギーズの右腕を縦に裂いたのに対し、アニメでは拳志郎の頬に少し傷を付けるに留まる。
・拳志郎が戦いの中で飛燕の拳の源流が北斗劉家拳であることを見抜く(原作では事前にギーズから極十字聖拳である事を聞いている)
・ドイツ軍とフランス軍の衝突が川べりに変更(原作では共産党のアジト前)
・ドイツ軍の隊長が原作とは別人(橋の上で待ち伏せた隊長と兼任)

●アニメオリジナル要素
・ドイツ軍が、ハルピン駅近くで殺された同胞達の死体を発見。目録の回収に失敗したことを知り、エリカの追跡を開始する。
・ギーズを殺した犯人が不明であるため、それにまつわるエピソードがいくつか追加(拳志郎が飛燕と拳を交えることで犯人ではないことを見抜く、玉玲が犯人が別に居ること告げる等)
・教会にてギーズの葬儀が行われる。原作不参加の潘光琳や北大路剛士も参列。
・北大路剛士が潘光琳と知り合いという設定が追加。
・北大路がギーズが襲われる現場を目撃していたというエピソード
・飛燕が病気を患っており、余命が残り少ないという設定。吐血する。







第三話「血を纏う死鳥鬼」



[ストーリー]
 飛燕と一緒なら私は平気。そう語るエリカの、飛燕への信頼は本物だった。だが、力だけではエリカに真の安らぎは与えてやれない。そのことに気付いた飛燕は、彼女を潘玉玲のもとに預けることを決めた。全ての事情を話し、眠れるエリカを玉玲へと託す飛燕。その目は、まるで己の魂を差し出すかのようであった。飛燕にとってもまた、エリカはかけがえのない存在なのであった。

 拳志郎を誘い出だすため、大新世界へと訪れた飛燕は、青幇の者達を次々に切り刻んでいく。その身に浴びた返り血により、飛燕は再び人の心を捨てた「死鳥鬼」となりて、拳志郎との戦いに臨むのだった。素早い動き、そして切れ味鋭い拳を持つ飛燕であったが、真の武器はその防御にあった。千手羅行――――。千の矢を己に浴びせる荒行の末に手に入れた「千の手」で、拳志郎の攻撃を防ぐ飛燕。だが、拳志郎は「千一本目」の手を持っていた。北斗神拳奥義 天破活殺。指先に闘気を込め、触れることなく秘孔を突くその奥義は、飛燕の鉄壁の防御でも防ぐことは出来なかった。

 無数の拳を纏う飛燕の攻撃が、拳志郎に襲い掛かる。だがそれは囮…。拳志郎の放った拳を受け、あえて左肩を貫かせることで、間合いを捕える飛燕。それは命の見切り。血を纏い、恐怖を捨てしその戦い方こそが、極十字聖拳の真髄であった。だが、北斗神拳の真髄は更にその奥にあった。肩を貫通させた腕から、闘気によって心臓を打たれた飛燕は、もはや立ち上がることが出来なかった。

 エリカの事を拳志郎と玉玲に託し、自決を図る飛燕。だがそれを止めたのは、駆けつけたエリカの声であった。エリカにとって一番大事なもの。それは強さでも温もりでもなく、飛燕の存在……。だが飛燕は、既に死の病に冒されていた。故に彼は、エリカを託せられる男か見定めるため、拳志郎との戦いを望んだのであった。しかし、もうその必要は無かった。拳志郎が突いた秘孔は、エリカと共に生きるための時間を、飛燕に与えたのだった。



[登場した流派・奥義]
・舞裂爪破弾
・千手羅行
・天破活殺
・闘気で心臓を打つ技
・病の進行を止める秘孔



[原作との比較]
飛燕が玉玲にエリカを預けるところから、拳志郎と飛燕の闘いが決着するまで。細部に変更点多数あり。

●カットされた箇所
・飛燕とエリカが彪白鳳を弔うシーン
・飛燕が杜流陽湖拳の道場で血に染まるシーン(かわりに大新世界で青幇たちの返り血を浴びる)
・飛燕が大新世界の支配人の腕を切り、拳志郎を呼ばせるシーン
・拳志郎と飛燕の戦闘中に上海で戦争が始まり街に爆弾が落ちる展開
・魏瑞鷹と霞羅門にまつわるエピソード全て
・「闘気で心臓を打つ」の説明無し。なので拳志郎がどうやって飛燕を倒したのかよく分からない。

●変更された箇所
・北大路が日本の中国への派兵を止めるため一旦帰国する(原作では今後も中国に留まったまま)
・飛燕がエリカを預ける際に玉玲に目録の正体を語る(原作では死ぬ間際のギーズが拳志郎に告げる)
・舞裂爪破弾で拳志郎の服が裂け、その際に拳志郎も飛燕の服を切り刻む(原作では飛燕の連続蹴りと拳志郎の連続拳が打ち合った際に破れる)
・拳志郎が気合で傷口を塞ぐのが、右腕から胸に変更。
・飛燕が拳志郎と闘った理由が、エリカを託せる強い男かを見定めるために変更(原作では極十字聖拳が北斗神拳を超えるという師の悲願のため)
・拳志郎が最後に飛燕に突く秘孔が「病の進行を止める秘孔」に変更(原作では自分が突いた致命の秘孔を解除する)

●アニメオリジナル要素
・飛燕、玉玲に朋友の意味を尋ね、それは自分には不要なものだと語る
・舞裂爪破弾に、右手の二本指で十字を切るように放つ様が描かれている。
・飛燕が実際に千手羅行を行うシーンが追加(アニメでは文字のみ)
・修行中に飛燕が「千手羅行」と口にする(技名でなく修行の名称では?)
・拳志郎が秘孔を突いて飛燕の病進行を止める
・拳志郎と飛燕の戦いが終わったところをヤサカが眺めている








第四話「北斗神拳の源流」



[ストーリー]
 飛燕は、丘の上にある教会で、牧師として生きていくことになった。エリカの父親として。ようやく二人に訪れた平和な時間。だが、上海の街には戦争の足音が近付いていた。

 ギーズを殺した男の情報を求め、殺害現場へと訪れた拳志郎。得意の嗅覚が捕えたのは、シルクロードの砂漠の匂い…。それは、拳志郎にある確信を抱かせた。政府軍が雇ったという「西斗月拳」の使い手。その男こそが、ギーズを殺した犯人の者であると。

 かつて拳志郎は、シルクロードの旅の途中で、月氏族なる者達の墓だという朽ちた寺院に辿りついた。北斗との関係を漂わせるその奥で拳志郎が出合ったのは、敵意を剥き出しにした白い狼。自らを「西斗月拳の怨念の化身」と名乗る狼から語られたのは、北斗と西斗の驚くべき因縁であった。

 かつて北斗宗家は、史上最強の暗殺拳を創設するため、西斗月拳の秘孔術を手に入れようとした。西斗の者達は、門弟となった北斗宗家のシュケンにその極意を授けた。だがある夜、シュケンは西斗月拳の使い手達全てを抹殺した。恋人であるヤーマでさえも…。全ては、西斗月拳を悪しき者に渡さぬため。宗家からの使命を果たし、シュケンは英雄守護の拳・北斗神拳を作り上げた。だが彼はその後、生涯に渡って許しを請い続けた。そしてその哀しみは、後の伝承者である拳志郎にも刻まれていた。だが、想いが消えぬのは西斗も同じ。拳志郎の拳に敗れ去った狼は、いずれ西斗の血を引く者が復讐を果たすことを予言し、その身を消失させたのであった。

 北斗への恨みからギーズを手にかけた、西斗月拳の男。その男との戦いもまた拳志郎の宿命…。だが狙われたのは、北斗から派生した拳を使う飛燕の方であった。買い物に出た飛燕は、行き倒れていた子供を庇い、その身に操孔針を受けてしまう。動きを封じられた飛燕の前に現れたその男こそ、北斗への怨讐を背負い生きる西斗月拳の男、ヤサカであった。


[登場した流派・奥義]
・西斗月拳
・北斗宗家の拳(名前のみ)
・操孔針



[原作との比較]
飛燕が牧師として生きるようになる回(138話)から、飛燕がヤサカの襲撃を受ける(174話)まで。ただし劉宗武が登場しないなど、かなりの場面がカットされている。

●カットされた箇所
・劉宗武、夏文麗、杜天風、ヘッケラーを初めとした、ドイツ軍や大湖弊、北斗劉家拳に関係する全てのエピソード

・玉玲が日本に渡るエピソード
・ジュウケイ、鮫島義山、ノミの孔の出番、及びエピソード
・月氏族の墓の前にいた老人
・月氏族の墓の中の蛇や炎が襲ってくる仕掛け
・西斗の高弟達のミイラ、狼が最後にヤーマの姿になる演出
・ヤサカと偽閻王とのやりとり

●変更された箇所
・巣からツバメの雛が落ちた際、原作では巣を一旦木箱に移しているが、アニメでは家の庇にある巣にハシゴを使って雛を戻している。
・拳志郎が「シルクロードの砂漠の匂い」を嗅ぎ取るのが、競馬場からギーズの殺害現場に変更
・ヤサカは、対閻王のために政府が雇った拳法家という立場になっている(原作では杜天風の用心棒)
・拳志郎が月氏族の墓を訪れたエピソードを語るメンバーが、「飛燕、宗武、文麗」から、「飛燕、葉、子英」に変更。
・拳志郎が橋で眠る幼い兄妹に布をかけるシーン、原作では劉宗武との闘いを予感する話をするが、アニメではヤサカとの闘いの話に変更
・ヤサカと偽閻王のやりとりが無いため、アニメでは飛燕がヤサカを見るのは襲われたときが初見になる。

●アニメオリジナル要素
・エリカが巣から落ちたツバメの雛を見つけ、飛燕が巣に戻すというエピソードが映像として描かれている(原作では文字での回顧のみ)
・拳志郎が子英と共にギーズ殺害現場を訪れ、シルクロードの砂漠の臭いを嗅ぎ取る。続けて飛燕も訪れ、その後に駆けつけた葉が、政府の雇った拳法家が「西斗月拳」の使い手であるという情報を伝え、拳志郎はその男こそがギーズ殺しの犯人だと確信する。



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