サザンクロス――――。遂に宿敵シンのもとへとたどり着いたケンシロウの前に、一人の巨漢が立ち塞がった。男の名はハート。北斗神拳を無力化する特殊な肉体、そこから繰り出される攻撃はケンシロウからダウンを奪うほどのパワーを備えていた。だが、かつての彼は、今の姿からは想像できない、弱くて脆い少年であった。![]() 校内の木で羽を休める二羽の鳥。それがアルフレッドのものであることに気付き、胸騒ぎを覚えたサラは、急いで家へと戻る。倒れていたエマから告げられたのは、アルフレッドが二人の男に連れ拐われたという悲報であった。誘拐犯たちの後を追い、得意の剣術で弟を助け出そうとするサラ。しかし女の力では屈強な男達に敵うはずも無かった。自分を守れるくらい強い男になるのよ。そう言い残し、サラは息絶えた。彼女の体から流れ出る真っ赤な血に、アルフレッドは心の叫びを上げるのであった。 ![]() 数年後。「完全体」となったアルフレッドは、KINGの部下・ハートとしてケンシロウの前に立っていた。自らの血を見て狂乱し、ケンシロウへと襲い掛かるハート。しかし拳法殺しと呼ばれたその肉体は、北斗柔破斬の前に脆くも敗れ去った。肉が弾け飛び、薄れ行く意識の中、ハートは思った。自分は果たして強くなれたのか―――と。 |
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アルフレッド(ハート) |
![]() 金銭目的でヘンネルとジャックの二人組に拐われてしまい、それを助けに来た姉サラは返り討ちに遭い死亡。計画が台無しになったとして自らも殺されそうになったが、突如現れたシンによって救われた。その後、自分で身を守れるくらい強い男になれとのサラの遺言、そして奪われたくなければ奪えるだけの力をつけろとのシンの忠告を受け、生まれ変わることを決意。圧倒的な力を持つシンの下につき、強い男になる道を歩み始めた。 核戦争後、完全体「ハート」としてケンシロウと対戦。拳法殺しの肉体でケンシロウを押し込むが、北斗柔破斬を喰らい、敗北。自分が姉の言う強い男になれたかどうかを問いかけながら死亡した。 |
サラ |
![]() 通学中、アルフレッドの小鳥が逃げ出しているのを発見し、胸騒ぎを感じて帰宅。家政婦のエマからアルフレッドが拐われたことを知らされ、助けに向かい、長棍で誘拐犯二人に立ち向かった。しかしタフなジャックに大きなダメージを与えることはできず、逆にナイフで刺されて死亡。最期に、自分で身を守れるくらい強い男になるようアルフレッドに告げた。 |
エマ |
![]() 家に押しかけてきた誘拐犯(ヘンネル&ジャック)に攻撃され、アルフレッドを連れ去らわれてしまい、その後、帰宅したサラに状況を報告した。その後の生死は不明。 |
アルフレッドが飼う鳥 |
![]() 数年後、ケンシロウとシンが対峙する場にも似たような鳥が現れ、幼き日のハート(アルフレッド)とサラが映った写真をその場に落としていった。 |
アルフレッドの両親 |
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ジェシカ |
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ヘンネル |
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ジャック |
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シン |
![]() 核戦争以前、とある町の路地裏にて、アルフレッド(ハート)が誘拐犯に殺されそうになっている現場に遭遇。ナイフや拳銃による攻撃をことごとく躱した後、南斗聖拳の手刀にて二人を抹殺した。その後、誘拐犯に姉を殺されたアルフレッドに対し、「奪われたくないものがあるなら奪うくらいの力はつけておくことだな」と忠告。それが病弱で内向的だったアルフレッドを奮い起こすこととなり、強くなりたいと望む彼を配下に迎えることとなった。 後に拳法殺しの肉体を手に入れたアルフレッドを「ハート」としてケンシロウへとけしかけたが、北斗柔破斬にて撃破されたため、自ら挑むこととなった。 |
ケンシロウ |
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バット |
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特異体質 | |
ハートが有する、外部からの衝撃をすべてやわらかく包み込んでしまうという肉体。ケンシロウの放った経絡秘孔への突きを無効化し、拳を脂肪の中に埋め込ませ、抜けなくさせた。 |
北斗神拳 | |
ケンシロウが伝承する暗殺拳。相手の経絡秘孔を突いて倒す事を主体とした拳法であるが、ハートの特異体質に対しては分厚い脂肪に阻まれて秘孔まで拳が届かず、無力化された。 |
北斗柔破斬 | |
北斗神拳の奥義の一つ。高速の蹴りで体を覆う脂肪をずらし、あらわになった経絡秘孔にむけて拳を突きいれる。特異体質を持つハートに対してケンシロウが使用した。本作では蹴りの連打の場面はカットされている。 |
南斗孤鷲拳 | |
シンが使う拳法。ジャックの腕を一瞬で切り落としたり、ヘンネルの胴を一撃で分断したりした。 |
古流の剣術 | |
アルフレッドの姉・サラが身につけていた剣術。長い鉄パイプを用いてジャックを押し込んだが、タフなその体には決定打を打ち込むことは出来ず、腕を掴まれて敗れた。 |