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北斗の拳 イチゴ味 外道伝





北斗の拳 イチゴ味 ファルコ外道伝
GOLDEN GUY



ストーリー
 元斗皇拳 紫光のソリア。ケンシロウをも苦戦させる程の拳士であったが、彼の右目は、かつて一人の男によって一瞬にして奪われていた。その男の名は、ファルコ―――――。

 十数年前、天帝の隠れ里に、手負いの敗残兵が迫っていた。追撃部隊に追われていた彼らは、迎撃の拠点とするため、偶然発見したその集落を占拠しようとしていたのだった。このままでは母体に宿る天帝に危険が及ぶ。そう考えた若き元斗の拳士・ファルコは、単身でその軍人たちの殲滅に向かおうとしていた。

 だがそれを止めたのは、ソリアの兄であった。元斗皇拳の特性である「光る手」。それを見られた上で敵を取り逃がせば、この里、そして元斗の存在が知られることとなる。そのリスクを避けるため、ソリアの兄が選んだのは、光る手を修得しえなかった自分が出ること。このままではいずれ世界は滅ぶ。その時、人々の道標となるのは天帝…。それを守り抜けるのは、光る手を持つ男達であるファルコ、ソリア、ショウキを置いて他にない。彼はそう考えていたのだった。

 単身出撃する兄の後を追おうとするソリアは、引き留めようとするファルコに手刀を放ち、自慢の髪型を切断する。だが天帝守護という宿命を果たすため、ファルコはどうしても今ソリアを失うわけにはいかなかった。ファルコが放った非情の拳は、一瞬にしてソリアの右眼を奪っていた。




・天帝の里は山奥にある隠れ里。地図にも載っていない。
核戦争前も、そして核戦争後も、ひっそりと天帝を守護し続けていたということですね。そして拳王軍という巨大な勢力が消えたことでジャコウがその威を利用して表舞台に出たということか。
・天帝の里に敗残兵が迫る。そのころ天帝はまだ母体の中。
原作で双子が生まれたときにジャコウとファルコは立派な宮殿にいたので、その後の核戦争で落ちぶれたから隠れ里にいたのかなと思ったのだが、そういうわけでもないということか。
・ファルコ、若いころは角刈りの高さが50cmほどがあり、前髪のチョロ毛とポニーテールもあった。ソリアの手刀によって切断され、後の髪型になった。
これまでの外道伝はオチ以外は割と真面目にやってきた印象だが、ついに本編途中からふざけはじめやがった。
・銃器を持った軍人20人を相手でもファルコならたやすく殲滅できる
ショウキは絶対に無理といった口調で止めているので、この頃からファルコの実力は元斗の中でも抜きんでていたことがうかがえる。
・元斗の存在が知られてはならないからと、「光る手」を持たないソリアの兄が軍隊殲滅に出ることに。
「奥義を極めた者は光る手を持つ」と原作で解説されているので、才能ではなく、単純にソリ兄の練度が不足していたということだろう。それでも普通に軍隊を殲滅させて生きながらえているのだから恐ろしや元斗皇拳。
・元斗のマントがかけられている銅像はファルコ達の師匠。ソリアの兄は、もし師匠が生きていたら自分と同じ判断をしていただろうと語る。
原作でも「元斗の先人達」とは言われてたけど、直属の師匠だったんだね。しかしソリ兄の台詞からすると、この人も「光る手」を持ってなかったということになるが……?
・ファルコ、兄の後を追おうとするソリアを止めるため、右目を奪う
そこまでする必要ある?






キャラクター

ファルコ
 若き元斗皇拳の拳士。里に敗残兵が迫っている事を受け、母体の中に宿る天帝への危険を排除せんと出撃しようとした。しかしソリアの兄より、天帝が人々の道標となった時、そを守るのが「光る手」をもつ自分たちの役目だと諭され、元斗を束ねる役目を任せられた。その後、兄のあとを追おうとしたソリアを止めるため、その右眼を奪った。その際に長くそびえたっていた髪の毛を切断され、普通の角刈りになっている。
後にジャコウの傀儡となり、北斗・南斗に関わる者たちの抹殺を命じられ、マミヤの村の長老が彫っていた壁画を破壊した。


ソリア
 元斗皇拳の使い手の一人。一人で軍人達のもとへ向かう兄の後を追おうとするが、ファルコにより制止され、手刀で髪の毛を切り落とした。しかしファルコより、いまお前を失うわけにはいかぬと、右目をつぶされた。
数年後、ケンシロウとの闘いでその際の傷跡を見せ、ファルコという男の強さを誇示した。


ソリアの兄
 ソリアの兄。元斗皇拳の門下としてはファルコ達の兄弟子にあたる。里に敗残兵が迫っていることを受け、万が一にも天帝と元斗の存在を知られるわけにはいかないとして、「光る手」を持たない自分が出向くことを決意。いずれ世界が崩壊し、天帝が人々の道標となった時、それを守り抜く役目をファルコ、ソリア、ショウキの三人に託し、同時にファルコに元斗を束ねるよう指示した。
 原作にも登場(拳王軍が村に攻め込んできたときに「ファルコ、なぜ戦わぬ」と言った人)していることから、その後も生き延びていることは判明している。


ショウキ
 元斗皇拳の使い手の一人。ファルコ、ソリアと同じく「光る手」を持つ。銃器を持った20もの軍隊をを相手に単身挑もうとするファルコを止めようとした。


天帝の母
 天帝(ルイ・リン)の母親。元斗の里にて、その身に宿す天帝の生まれる日を待っていたが、里に敗残兵が迫ったことでファルコらにその身を危惧された。


ファルコ達の師匠
 ファルコら元斗皇拳の拳士達の師匠。既に故人となっており、その銅像には元斗のマントが掛けられている。ファルコらに代わり軍隊に挑もうとするソリアの兄から、存命なら同じ判断をしただろうと言われた。


元斗の伝書鳩
 元斗の伝書鳩。天帝の隠れ里に敗残兵が近づいているという伝書を届けた。


敗残兵
 戦闘に敗れ敗走していた部隊。山中にて謎の集落(天帝の里)を発見し、そこを占拠して追撃部隊を迎撃しようと目論んだ。その後、ソリアの兄の手によって全滅させられたと思われる。


ケンシロウ
 北斗神拳伝承者。ソリアと戦い、元斗流輪光斬をその身に受けた。


長老
 マミヤの村の長老。北斗、南斗の拳士達の壁画を掘っていたが、ファルコによって粉々にされた。


ユダ
 南斗紅鶴拳の伝承者。遥か昔に死んでいるはずだが、ギャグ漫画なので、北斗、南斗の壁画が壊された場面に居合わせて神妙な顔をした。







流派・奥義紹介

元斗皇拳
天帝守護の拳。体得した者たち(ファルコ、ソリア、シュレン)は「光る手」を持つが、修得まで至らなかった者(ソリアの兄)にその力は宿らない。ファルコ程の実力者であれば銃器を持った軍人20人を相手でもたやすく勝利できる。

元斗流輪光斬
紫光のソリアがケンシロウに対して放った元斗皇拳の奥義。ケンの身体を切り裂き、幾本もの傷を与えた。




月刊コミックゼノン77号(2017年5月号)掲載