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誘闘赤円舞
ゆうとうせきえんぶ



使用: アルフ (対 ケンシロウ)
登場: 北斗の拳(166話)/アニメ版(125話)/
北斗の拳3/メガドライブ版/パンチマニア/
リバイブ


 アルフが使う拳法。マントで半身を隠しながら、右手で素早い連続突きを繰り出す。だがこれは敵の攻撃を誘うための囮であり、反撃してきた敵に毒牙を含んだマントを突かせることが真の目的。視神経を狂わされた相手は、アルフのマントが何重にも分かれて見えるため、あらゆる方向から同時に攻撃を仕掛けられることになる。
 ケンシロウに対して使用し、見事視神経を狂わせたが、その場で回転して分裂した全員を攻撃するという方法によって破られた。



 奥義名をストレートに読み取ると、戦いに誘う赤い円舞、となる。戦いに誘う、というのは、あの毒牙を含んだマントに敵の攻撃を誘うという意味だろう。素早い突きの連打で先制攻撃に出るが、それはあくまで敵の反撃を誘うための撒き餌であり、その間も常に敵との間にマントを張っておく事で、正確な間合いを計らせないようにする。そしてやきもきした敵が不用意に拳を放ってきたのを見逃さず、まるで闘牛士のように身を翻して敵の攻撃をかわし、マントだけを突かせ、視神経を奪うのだ。アニメスタッフはマントを赤くしなかった事を今後20年反省して欲しい。

 続いて円舞だが、これは大勢が輪になって踊るロンド(輪舞)の意味で使われることが多い。ならばこのアルフの動きもロンドであり、本来はもっと大人数を相手にした時に威力を発揮する拳なのだろうか。しかし基本的に闘牛を模した踊りといえばフラメンコであり、おそらくこの拳名に付けられた円舞に関しては、ロンドは関係ないだろう。単純に敵の周りを回る円の動きで攻撃をかわしている、というような意味だと思われる。

 結果的にはケンの非常識な反撃で破られてしまったわけだが、原作では攻撃を誘う先制攻撃でもケンに防御体制をとらせ、その身に傷を負わせた程であり、威力がないわけではない。もともと不用意な性格という弱点はあるものの、あのケンを完璧に術中にはめたのは事実。さらに毒に強い血を持っているケンに、十分な効果を発揮した事を考えても、毒の威力も相当なものだろう。修羅達との死闘を潜り抜けた男が使う拳としては、申し分ない完成度であると言ってもいいと思う。