アミバ異世界覇王伝説 感想

2021年11月11日




お知らせしました通り、コミックゼノン2021年12月号より








北斗の拳外伝
天才アミバの異世界覇王伝説
異世界に行ってもおれは天才だ!!
んっ!?まちがったかな…






の連載が始まりました。




ラノベなみのタイトルの長さで早速ヤバめの雰囲気を醸し出していますが、個人的には密かに期待してるんですよね。


何故なら、正史扱いできる可能性があるから。


だって異世界なんでしょ?そこに死後のアミバが行くんでしょ?じゃあどんな展開になろうが本家のストーリーと矛盾する可能性は低いじゃないですか。ということは正史扱いしたっていいって事じゃないですか。北斗年表に「アミバ異世界で転生」って加えてもいいってことじゃないですか。そしたら嬉しいじゃないですか。少なくとも私は。


…まあギャグ色強めっぽいので、資料的価値は期待できそうにないけどね。





というわけで、僭越ながら軽くレビューを。







[第一話]
悲しき天才アミバ!!
お前はこの異世界に何を見るのか!!






ケンシロウに敗れ、ビルから落下しながら「うわらば」と爆死したアミバ。


次の瞬間、彼は再び「うわらば」と言いながら目を覚ました。




そこは緑豊かな見知らぬ土地。

吹き飛んだはずの指も元通り。

更に空に舞うは巨大なドラゴン。








天才ならではの冷静な推察により、異世界に転生してしまった事を瞬時に悟ったアミバは、天才的なポジティブシンキンにより、己が選ばれし者であるとの確信に至る。


彼の目指すもの……それはこの世界で新たな力を学び、究極の北斗神拳を完成させ、今度こそケンシロウを超える事であった。





[感想]

異世界転生モノとしては実にプレーンなスタート。

ただ、前世と同じ姿で異世界に行くのって「転生」って言えるのか?完全にそのままならまだしも、傷だけは治ってるってのがなんともご都合主義ですよね。


しかし、緑もあって水も豊富な土地へと転移したってのに、わざわざあんな死の世界へと戻ろうとしてるってのが良いねえ。アミバにとっちゃ安寧な暮らしよりもケンシロウへの復讐の方が大事って事だからね。流石はトキへの憎しみだけを糧に生きていた男だよ。向上心の固まりだよね。









[第二話]
世紀末異世界!
アミバ お前を待っていた!!




#2-1

近くの村へと辿り着き、酒場で出会った老人に声を掛けられたアミバは、そのまま宿を借りることに。


そこの家主である老夫婦は、元の世界で種モミを探していた老夫と、どこぞのデカいババアにそっくりの容姿であったが、アミバはその事を知る由もなかった。


優しい老夫婦の勧められるまま、朝食に出されたスープを頂こうとするアミバ。だがその直前、中に入っている肉が、リザードフロッグなるグロテスクなモンスターの肉である事を知り、アミバは狼狽する。





決死の覚悟でそれを口に放り込むアミバ。だがその未知の食感とジューシーな肉汁の美味さに、思わず「うまらば」と叫んでしまったアミバは、脳内で味の異世界冒険へと旅立つのだった。





[感想]


なんじゃこれ


いやこれは…なんだ。ひどいな。


まず異世界人とのファーストコンタクトを描かなかったというのがイミフ。「目にするもの全てに驚いた」っていうエピソードもナレーションで終わりという…。それって異世界モノの最大の見せ場なんじゃないんすか?


出会った老夫婦がミスミとコビトという組み合わせもなあ。未だにデカいババァに頼ろうとするセンスが時代遅れだし、何よりデカいババァがデカくないのが謎。別にええやん身長差カップルで。なんでもありの異世界なのに、逆にノーマルなサイズになるってどういうことなの。


何より一番ひどいのが、「グロい生物を食べてみたら意外と美味だった」っていうこのエピソードね。そんなもん4Pも使って描く必要ある?つーかアミバである必要ある?北斗の拳である必要ある?無いよね。

まさか「うまらば」の一言で全て賄えたと思っているのだろうか。
ワード自体は嫌いじゃないけど…



北斗の拳の第2話は、話に納得いかなかった武論尊御大が原先生に全ページ描き直させたという有名な逸話がありますよね。それだけ大事な訳ですよ第2話っていうのは。だからこそこの内容には心底ガッカリしました。単行本化の際には、老人との出会いとか、街並みにビックリする様とか、そういうのを真の第2話として加筆してもらいたいなぁ…。











#2-2


南斗聖拳で薪割りを手伝うなど、特に実りの無い日々にやきもきするアミバ。


そんなある日、森に入ったアミバは、怪しげな動きをする少女を目にする。


ケンシロウと旅する某少女にそっくりな容姿を持つ彼女が、詠唱を終え、「フレイムパーム!!」と叫んだその瞬間、彼女の掌から凄まじい熱線が放たれた。



それは「魔法」と呼ばれる未知の力……


大樹を一撃で吹き飛ばすその威力に驚嘆するアミバは、早速その力を手に入れんと、少女に声をかける。


だが彼女から返ってきたのは、見た目の印象とは真逆の、口悪い言葉であった。









[感想]

南斗聖拳で薪割り……やっとアミバならではの要素が見れたけど、ミスミもノーリアクションなんですよね。アミバが主人公に選ばれたのって、北斗神拳と南斗聖拳の両方を使えるからで、こっちの世界でそれを使って活躍させる話にしたいのかなと思ってたんですが、これだけ拳法がスルーされるって事はどうも違うみたい。


それもこれも「魔法」という能力が存在する世界だからなのだろう。で、その使い手として登場したのがリンに似た少女。いや似てるというか見た目100%リンなんですよね。髪型も衣装もハチマキまで。あまりのひねりの無さに逆に清々しさすら感じる。

……もしかしてこの世界は、異世界でありながらパラレルワールドでもあるって事なのだろうか。ならば今後も原作キャラによく似た奴等がドンドン登場してくるのかもしれない。


しかし話が途切れてるわけでもないのに、やたらシャープで話を区切ってくるなあ。おそらく後々ぜにょんでWEB配信する際の1話分とするための区切りなんだろうけど、そのせいで構成が面倒くさい事になってそう。#2-1がグロ飯をフィーチャーする謎展開になったのも、シャープ毎にオチを作るための苦肉の策だったのかもしれないな。









#2-3


アミバが出会った少女の名はリリン。大魔導士ロットンを師に持つ、自称この辺りで最も才能豊かな魔法使いの卵であった。


先程の「フレイムパーム」を修得せんがため、リリンから魔法を教えてもらえることになったアミバであったが、その不躾な態度にリリンは激昂。突如スパルタ教官へと豹変し、アミバをウジ虫呼ばわりしながら地獄の特訓メニューを開始する。


常人ならとても耐えられぬほどの過酷な修行の日々を送るアミバ。

だがその鍛錬が魔法とは全く関係ない事を、彼はまだ知る由もなかった。



そして一週間後……修行を終えたアミバは、渾身の力を籠めて魔法を詠唱する。






「火炎魔法 二指煉獄破!!」



放出されたのは……豆粒ほどの光の球。


それは火炎魔法の初歩の初歩の魔法「ノクトルカ」であったが、異世界の能力をも修得した己の天才っぷりに、アミバは大はしゃぎで喜ぶのであった。





[感想]

見た目はリンだが性格は明るめ。しかしキレるとハートマン軍曹になりケンシロウの名言を連発する……。ゴチャっとしてるなあ。ケンの台詞は言わせなくてもよかった気がする。無理やりなので微妙に話の流れとマッチしてないし。


しかし名前、リリンて。淫魔やないか。
夢で精液搾取してくる奴やつやないか。
流石にアカンでそれは……


更にアミバがやらされた無駄修練が、アキの重し引き、子供ケンの滝修行、聖碑運びと、これまた原作からの引用連発。つまりこの作品は、北斗の拳の外伝でありながら北斗の拳のパロディで笑いを取っていくスタイルってことなんですね。成程成程……。


で、今後アミバは拳法じゃなくて魔法を磨いて戦う展開になるって事でいいんですかね。成程成程……。


それって例えるなら戦国自衛隊でタイムスリップした千葉真一が戦車やヘリを使わずに槍や弓で戦うみたいな事ですよね。


……それ何が面白いん?





まあ、まだ始まったばかりなので結論を出すには早急ですが、今のところ暗雲しか立ち込めていない感じですね…。烈海王の異世界のやつも、最初は酷いもんでしたけど最近は面白い展開にシフトチェンジし始めましたし、気長に待つとしますか。


少なくとも絵は相当良い感じなので、全然巻き返せると思うし。


いやホント、期待してるんで。頼みます。お願いします。



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