TOP


前の記事へ 次の記事へ


極上美の饗宴 2012/4/13(木)
この記事を強敵ブックマークに刻む



この間の日曜日に無事、東北から帰還いたしました。
爆弾低気圧による猛吹雪とガチンコ勝負してきました。
レポなんかはまた後日書きたいと思います。




さて一昨日の4月11日、NHK BSプレミアムにて放送された「極上美の饗宴」なる番組に、原哲夫御大が御出演されましたので、その番組内容を少しだけ紹介させていただこうかと思います。
掲示板にて情報をくださった海殿、感謝です。

今回は、日本美を築いた仏シリーズの第二弾。
奈良は新薬師寺に祀られている十二神将立像がテーマだそうです。
十二神将とは、薬師如来とその信奉者を守護するとされる十二人の武神のこと。甲冑をつけた十二人の武将の姿で表され、それぞれが個性的なポーズをとっているのが特徴なのだとか。

番組の内容は、その像に対する様々な方の見方や捉え方などを紹介するという一時間。仏像萌えの女性や、殺陣師、仏像技法研究家 彫刻家などがあらゆる角度から十二神将に対するアツいコメントを述べられている中で、原御大は、実際にこの新薬師寺へと訪れ、像をスケッチされておられました。




御大は、三年前から仏像のスケッチを始められたのだという。
その中でも、不動明王や仁王像といった男性的な仏像に惹かれた御大は、日本古来の勇ましい美の原点を探り、それを漫画に活かしたいと考えておられるらしい。

不動明王といえば、蒼天の拳223話で劉宗武が見せた、あの不動明王の結界が思い出される。





あれが掲載されたのが2008年の夏頃。およそ三年半前だ。どうやらあの天授の儀が、原御大の新たな趣味を開拓したのであろうことは間違いなさそうだ。



こちらが放送で映った、御大が過去に描かれたという仏像スケッチ












「ポーズがキマっている仏像は、ヒーロー像を追求している自分の漫画道にも通じるものがある。この十二神将は、それぞれのキャラの描き分けが出来ていて面白い」と語る原御大。





原御大EYEを通すと、あにら像は、ほうれい線の深い50代の職人の顔に見え





あんてら像は 角田氏に面立ちの似た格闘家の顔に見えるらしい。
うん、これは似てるわ。クリソツだわ。





そして、まこら像の斜に構えた無造作な立ち方は、まさに男の子が憧れるヒーローの立ち方・・・つまりはケンシロウなのだそうだ。





だがそんなケンシロウよりも御大が注目したのが、こちらのばざら像
梵語でVajra。つまりは「ヴァジュラ」だ。



御大的には、この表情、風体、構え方は、まさに主人公のそれなのだという。





「ビビってる奴なら「へあっ」ってなるじゃないすか」
と、良く解らないアクションを交えながらミスターばり解説を行う御大。







そしていよいよ本気のスケッチ開始。
上まぶたの上に眉間の肉が乗っかる事で迫力が出るのだと御大はアツく語る。




眉間に深い皺が寄り、上瞼が目に被る事で凄みのある表情が生まれる。
それは北斗の拳のキャラクターにも共通している、というナレーションを挟み、バザラ像と拳王様のカットが並べられる。




要するに

主人公=ばざら=拳王様、という事ですね






その後、仕事場へと戻った御大が、自分なりのテイストを加えつつ完成させたバザラ像画がこちら。







ううむ、素晴らしい。像の絵というより、この"人物"をモデルに作られたのがあの像だという風に錯覚してしまいかねないほどの魂の入り方だ。
果たしてこれは今後のいくさの子の執筆に生かされるのか。はたまた仕事関係なく、本当に趣味で行かれただけなのか、それは後々明らかになることだろう。

御大の仏像画も沢山拝見でき、私的には大満足の番組内容でした。





なお番組的には、像を「ジャニーズ」とか「EXILE」に重ね合わせて妄想するという荒技を披露した仏像萌え腐女子が全部持っていきました。


前の記事へ 次の記事へ